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名古屋外国語大学・名古屋学芸大学図書館(愛知県)

私立名古屋外国語大学・名古屋学芸大学が運営する大学図書館。
学校法人・中西学園が運営する両大学の大学図書館である。
日進市の北部、岩崎御嶽山の山の斜面、しかも御嶽神社奥之院すぐ隣にある。

――解説を始める前にちょっと前回の反省を生かそうと思う。
前回(日進市立図書館)は少し徒然と書きすぎて読みづらい内容になってしまったので、今回は試験的に段落に分けて書いてみようと思う。
ところで段落の内容は以下の通りである。

1.開館日時と利用対象者
2.立地条件とアクセス
3.館内設備と検索性
4.図書資料とその他資料
5.サービスと総評

小生が図書館を評価する基準としてはこの5項目(実質10項目)だろうか。
とにかく今回はこれでレポートを書いていく。


1.開館日時と利用対象者

8:50~20:00と、何故か半端な時間から開館するらしい。
シラバスがわからないが、あるいは何らかの学生への配慮なのかもしれない。
土曜日も午前午後と開館しているようで結構良いと思う。
利用対象者は当該大学の学生と教職及び卒業生、加えるところの「20歳以上の方で当館の資料を利用して、学習・調査・研究を行おうとする方」ということらしい。普通は近隣住民に限定したりする所、これはかなり公共性の高い図書館であると思われる。
ただし学外利用者は閲覧のみの利用であることと、山の中の大学でかつ図書館はキャンパスの真ん中あたりにあり、駅からも遠いのでそれもあってか、ぱっと見小生以外に一般利用者はいなかった。
まぁ平日なのもあるだろうが。


2.立地条件とアクセス

日進市、特に竹ノ山近隣はここ数年(愛知万博がきっかけか)で山を切り崩してかなり発展しており、当該大学も新しい校舎を建てるなど流石芸術大学というだけあって街の景観向上に少なからず貢献していると思われる。
オシャレなカフェーや大きなデパートとホームセンターもあり不便はしない。
ただしやはりアクセスが微妙である。
最寄りの駅は地下鉄東山線終点の藤が丘か、地下鉄鶴舞線の同じく終点赤池駅、名鉄豊田線の日進駅あたりなのだが、どの駅からもバスで20分くらいと自家用車がないと少々アクセスが辛い。


3.館内設備と検索性

入館証を入退館時スキャンして通るゲートとBDSが完備されていてセキュリティはしっかりしている印象を受けた。
一般利用者はゲートの手前で右手の受付カウンターで利用申し込みをしてから入ることになる。
図書館の敷地面積としてはさほど広くはないのだが何せ5階建てなのだ。
OPAC端末もあちこちにあり、椅子と机の数は充分で、エレベーターも当然ある。
惜しむらくは階ごとのマップはあっても図書館全体のマップがなかったことに少し不便を感じた。
1階が逐次刊行物+企画図書と文庫本。
文学作品がよくある著者名五十音順ではなく、アルファベット順に著者記号で配架されていたのが印象深い。
2階がNDCでいうところ0~7、ただし芸術分野多め。
レファレンスブックも結構揃っており、学生にとって頼れる図書館であろう。
3階が8~9、というよりThe 言語! って感じです。
よくわからないが建物の角付近に結構広く絵本コーナーが設けられていたのはそういう講義があるのだろうか? 児童向けとは思えなかったが。
4階が海外図書ということで、なんとNDCではなくDDCで配架されていた。
更に建物の角付近に海外の逐次刊行物も各種取りそろえてあり、やはり外語大ということでかなり予算を割りさいてあるのだと思われる。
因みに5階は多目的ホール+展示フロアで図書はなし。
実は多目的ホールの前に掲示されていた巨大な2枚1組の作品のテーマが読み取れず、1時間ほどにらめっこをしていた。
ところで階段の踊り場に飾ってある海外の小物は寄贈品なのだろうか。


4.図書資料とその他資料

かなりの蔵書を誇っていると感じた。
特に外語大・学芸大なだけあって海外文学、芸術書の蔵書が豊富。
しかもそれ以外の図書は少ないかと言われればそうではなく、しっかり必要な図書は揃えた上で必要な専門書を揃えた感がある。
まるで専門図書館のように他ではよほど見掛けない各言語の辞書事典があり、独自性が高い。
この図書館が都心にあればさぞ……と思ったが、こちらの大学は共同図書環(名古屋外国語大学、名古屋学芸大学、愛知県立大学、愛知県立芸術大学、愛知淑徳大学の5大学連携事業)に加わっているし電子ジャーナルやデータベースサービスも行っている。
電子図書館化が進んでいるのだろう。
因みにAV資料などは隣の建物であるコミュニケーションプラザにあるとのことだったが、聞いてみた所そちらは一般の利用は不可であるらしかった。
あと面白かったのが5階の展示コーナーに初代学長が生前使用していた眼鏡や鞄が展示されていたことだ。
小生もいずれ名を馳せ、小生自身がテーマの常設展示をしてもらい、この小生が愛用する丸眼鏡なぞを飾ってもらいたい。


5.サービスと総評

一般利用者である小生にとても親切にしていただいた。
職員の方は1階のカウンターにしか常駐されていなかったが、こちらの疑問にしっかり答える努力をしていただけて感謝しています。
図書館の規模に対して図書館員が極端に少ないように感じたが、パブリックサービスを受付業務に限定して人員をテクニカルサービスに割り振っているのかもしれない。
どうせなら自動貸出機を実装して受付の人員をレファレンスサービスに宛てたらどうかと思ったが、あれだけの蔵書だと予算もかなりの額に登りそうであるし、そこは割り切っているのかもしれない。
総評として、実に素晴らしい大学図書館であると感じました。
もし芸術や言語の分野で調査・研究を行う場合はこの図書館を利用するのが最適であるといえる。


2017/08/03 ネロ造

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