時間に縛られないならいごと「ミューレラボ」を始めてみた
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時間に縛られないならいごとを始めた
「集団行動ができない子が、時間に縛られずに過ごせるならいごと」をやろうと決意したわたしは、構想を温め続け、環境を整えて「ミューレラボ」を作りました。
これは、平日の17時〜20時、いつ来ていつ帰ってもいい、何をやってもいいというならいごとです。子ども発信で、何かやりたいということになったら、その材料を整えたり、有識の大人を呼んであげるお手伝いはしました。
子どもたちは思い思いに楽器を演奏したり、プロジェクトを立ち上げたりしました。
不登校の子の居場所
ミューレラボを立ち上げてまもなく、おそらくコロナも影響したと思いますが、生徒が立て続けに不登校になりました。不登校には元々関心がありましたので、すぐに動きました。
まず、保護者のLINEグループを作り、情報交換をしました。お父さんたちを集め、不登校への理解を求めました。それから、子どもたちに運動をさせるために歩いてミューレまで来させ、日中の居場所を作りました。
「時間にとらわれないならいごと」は、不登校との親和性がとてもよく、今も、この場があったことが子どもたちにとって、とてもラッキーだったと思っています。
お母さんたちには、預かる代わりに教室のお掃除をお手伝いしていただきました。いつもとても丁寧に掃除してくれて、winwinでした(笑)。
課題が見えてきた
テスト運営する中で、新たな課題も見えてきました。
それは、「自由にしたとき、能動的にやりたいことを見つけ、実行まで移せる子は実は少ない」ということです。
ミューレラボは、子どもの自由と意思を尊重すると決めていて、端末持ち込みOKでWi-Fiを解放していました。
すると、ひたすらYouTubeを見、ゲームに没頭する子が出てきました。そしてそれは伝染していきました。
おそらく、子どもたちはそれで楽しいんです。「自由」と言った以上、どう過ごそうが自由・・・。でも、わざわざ場所を移動して、親の目がないからといってYouTubeとゲームを見放題、それでいいのか、ミューレラボを作った意味が本当にあったのか、疑問に思うようになりました。
YouTube生配信の効果
ひとつの対策として、YouTubeとゲームに興味があるなら、ゲーム配信をしてみないかと提案しました。
これが大ハマりでした。コンテンツを作り、機材を設置し、上手にしゃべり、日に日に番組として成立するようになっていきました。子どもの意外な本音が聞けて、保護者さまも喜んでくれました。
そのうち、意外な効果が分かりました。
それは、発達障害の傾向にある子が、「視聴者」という目に見えない相手の受け取り方を考えて行動することができた、ということです。なぜかは分かりません。目の前の友だちよりも「見えない視聴者」の方が想像しやすいのか、「こんな言い方をすると見ている人が嫌な気持ちになる」と考えたり、「良い番組にするために友だちに協力する」という姿が見られるようになりました。配信を介して、人間関係を学ぶことができたのは意外な産物でした。
やりたいことが思いつかない子
こうして、不登校や発達障害にもいくらかの可能性を感じていましたが、事業として形にするためにはもう少しリサーチが必要でした。
「やりたいことがない子」にどうするか、ということです。
そんな頃、ふとしたきっかけから京都の「スタジオあお」を知り、健太さんとふたりで見学に行きました。
SNSを見ると、意欲に溢れ、独創的な発想でチャレンジをする子ばかりに見えます。
けれど、川村さんもわたしと同じ、「やることが見つからない子の存在」にはもちろん気づいていらっしゃいました。
なので、その前段階として、まずいろんなことを体験する「よのなかタッチ」というサービスを考えていらっしゃいました。
なるほど、見つからない子には、体験と出会いが足りないので、その機会を与えるというわけです。
このことで、「全部が全部、自由が良いということでもない。ちゃんと材料も与える必要がある」ということを学びました。
説明会を開きます。興味がある方はぜひご参加ください。
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