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『世界はラテン語でできている』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の紹介をします。


ラテン語さん著 『世界はラテン語でできている』 (SBクリエイティブ 、2024)


一応、ラテン語を履修した経験のある私。
終始面白くて、ニコニコして読んでいました。

ラテン語必要か?とか、ラテン語を疎遠に思われる方もいるかもしれない。
一方で、物語、ゲームや漫画などで使用されることの多いラテン語。
これ知っている!!と、ワクワクする方もいるかもしれない。
あれラテン語だったん?!など。

様々なことを知っていると、面白いことの幅が広がるので、
本書を読んでも良いことばかりだと思う。
日常生活にあるラテン語に気付いて面白くなるし、本書ではその歴史も知ることが可能だ。
つまり、私は本書をおすすめしたい。

ざっくり内容


第1章 ラテン語と世界史
第2章 ラテン語と政治
第3章 ラテン語と宗教
第4章 ラテン語と科学
第5章 ラテン語と現代
第6章 ラテン語と日本


この中でも、私が特に面白いと思ったのは、第2章に書かれている"vote"。
この単語について、少し紹介する。

今では、”投票する”という意味で見かけることの多いこの単語。
投票を呼びかけ"Vote or Die"と、有名人が曲やシャツのプリントなどで、
呼びかけている。

Vote
この単語は、ラテン語のvotum”願い”が語源だという。
また、動詞voveo"願う、神に誓約する"から派生すると言われる。
votumを中世ラテン語の辞書で引くと、3番目の意味に”選択や採択を示すこと。投票”とあるのだという。

"vote"という英単語は、”願い”という意味で使われていたが、スコットランド方言で”投票”という意味として使われ始め、”願い”が廃れてしまったというのだ。

語源を考えると、投票への重みや意味がずっと増す気がしたのは、私だけでないはず。
国の代表を選ぶのは、願いでもあるんだ。
換言するのであれば、国民の”願い”を受け止める人が、投票される人だ。
日本は違う文化だ!!と言われたら、それまでなんだけど。

言語を知ると、価値観が変わることもある。
こういうことって、個人的にめちゃくちゃ面白い!!!!

感想

ラテン語は、面白い。
著者のラテン語さんを、X(旧ツイッター)で知っていたので、
ついに本が出たーーーー!!という感覚だった。

ちなみに、ラテン語さんは、たくさんの文章を紹介しているが、その中でも最も個人的にお気に入りのものを、今回(やーーーーーっと念願叶って)紹介する。

ポンペイの家の壁に書かれていたラテン語

C.I.L. IV 4091
QVIS AMAT VALEAT PEREAT QVI NESCIT AMARE BIS TANTI PEREAT
QVIS QVIS AMARE VETAT
「愛する者は誰でも、健康であれ。愛することを知らぬ者は、くたばれ。
愛することを禁ずる者は誰でも、二度くたばれ」

https://x.com/latina_sama?s=20

紀元前に、これを言う人がいるって素晴らしい。
この人と対話したい。

さて、ラテン語。
本書でも随所に出てくるが、ラテン語が紹介される時には大体、古典ギリシャ語も紹介される。
言語が似ているから。
動詞の変化で主語を見出さなくちゃいけないので、動詞の変化を覚えないといけない。
しかし、これはイタリア語やスペイン語にも共通する。
もっと言うと、ギリシャ語は、ドイツ語に似ている。

ラテン語をある程度覚えたら、ヨーロッパ言語は大体分かるんじゃないか説(持論)。
いや、急に全然違うけど!!って、言語もある。
それでも、元々は1つの大陸だったし、ヨーロッパ大陸は今も陸続きなので、絶望的な違いはないのではないかと思う。
文字だって、基本アルファベットに近いし。


ラテン語は面白い。
言語を知ること、話のネタにもなる(?)ので、この本は非常におすすめしたい。

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