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『星を継ぐもの』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。

ジェイムズ P.ホーガン著 『星を継ぐもの』 池央耿訳 (創元SF文庫 、2023)


「新刊で再販売!!」
そんな感じのポップが置かれていた、この本。
表紙絵が好きになったし、SFという未開拓ジャンル(多分)なので購入した。

私が2024年に購入した本書の初版は、1980年。
原書だと、1977年に書かれたものとなる。70年代!!わお!!

本を開く、その最初からワクワクとドキドキ展開。
本当に、最初から最後まで楽しいストーリー。
最初から最後までワクワクし、内容ページ数に驚くほど、良い緊張感を保たせながら、様々な謎解きが緻密に書かれている文章。
あまりにも素晴らしい文章構造と、結論への道筋は美しいとしか言えない。
たった1冊しか読んでいないが、私は著者のホーガンが大好きになった。




ざっくりあらすじ

本書1ページ目に記載されている内容から一部、引用させていただきます。

月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。生物学的には現代人とほとんど同じにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。いったい彼の正体は?
謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。
調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む……。

ジェイムズ P.ホーガン著『星を継ぐもの』池央耿訳(東京創元社 、1980)、1頁。


月面で発見された現代の人類とほぼ変わらない死体、現代に優るような宇宙用品(所持品)。
調査の助けとなる物はある。
しかし、それらは5万年以上前のものである。

発見された死体は、仮名をチャーリーと名付けられた。

原子物理学者のハント、生物学者のダンチェッカーがメインとなり、
チャーリーの謎に迫っていく。


感想

本書に関しては、実際に読んで楽しさを経験していただきたいので、ネタバレしない。
読者が本を読みながら、ストーリーを追いかける。
そのミステリを楽しむ要素が、このストーリーにはある。
(ネタバレなしで何が書けるだろう)

さて。
冒頭に書いたので繰り返しになるが、緻密で重厚で、壮大なスケールの話が描かれている。
大きな世界だが、調査は緻密なものであるから、圧倒されてしまう。

本書の中では、すでに月面に多くの者が着陸し、すでに観光地にさえなっている。
そのような世界で見つかった、月面にあった5万年以上前の死体、チャーリー。

ニュースを知る正解中の反応、物理学者、数学者、生物学者、言語学者、科学者たち…
たくさんの人間が、チャーリーに関心を寄せる一方で、仮説とその証明に研究のための時間を費やし、調査をする。

1つの仮説を立てる。
仮説を立証させるためには、結果に急がないこと。
5万年以上前のチャーリーから、何が分かるのだろうか。
あらゆる調査結果から、新たな仮説を立てても、それがご破産にもなり得る。
矛盾はないだろうか。
それは、あり得るのだろうか。

この1つの仮説に対して、様々な方向から調査して証明していく様子が楽しくてたまらない。

物理学者の視点
科学者の視点
数学者の視点
言語学者の視点

ハントが実際に他の惑星(小惑星)に足を運ぶ際、その情景が非常に丁寧に描写されているところも良い。
実際、その場に立っているような気持ちになるくらい丁寧に書かれているので、行ったことのない宇宙の話が想像しやすくなる。

想像を掻き立てられる分、怖くなるところもあった。

酸素がない
重力がない

今まで当たり前のようにやったきたことが、机上の空論と化すような恐怖。
当たり前のように、呼吸が出来ない。
当たり前のように、行動出来ない。

そんな中、実に長い間放置されていたチャーリーは何者なのだ。
人間なのか?
人間に非常に似た他の惑星の生物なのか?

1つ解明したと思っても、矛盾が多かったり。
1つの解明によって、謎が増えるばかりであったり。

チャーリー、きみは何者なんだ?!
このストーリーは、どうやって終わるんだ?!

ストーリー終わったかと思いきや、エピローグで吹っ飛ばされる。
本当に、最初から最後まで楽しい。


おすすめ。




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