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「タイミング」

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マガジンの説明 : 露出~複数~…etc…と染まっていく“彼女”と“彼”が主人公のちょっとHな長編恋愛小説のつもりです。 大人な皆さんに是非読んで貰いたいなぁ
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2019年9月の記事一覧

【26. 裸足】

ある日の深夜遅く、彼の部屋。
そこで声を極力圧し殺しながら愛し合った後、彼女は独り部屋を後にした…。
ちょっと近くのコンビニまでお買い物?
いや、そんなんじゃない…。
彼女は、駐車場の真ん中辺りまで来た所で突如立ち止まった。
振り返った正面には、等間隔に幾つも並ぶ玄関のドア。
…キョロキョロ…
と頻[しき]りに廻りを気にしている。
が、特に誰かいる様子はない。
そして、2階の、右から2番目のドアを

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【25. マイルストーン】

その日の仕事帰り、彼女はいつもの食事会。
明日はお休み。
ということもあって、いつもよりちょっと遅い時間に部屋へと戻ってきた。
つかれたせいか、シャワーも浴びずに寝間着に着替え、ソファーに埋もれる。
何気無くTVを点ける。
─あ~、そう言えばこれって…─
職場の皆んながよく話題にする病院を舞台にしたドラマ。
その音声だけを聞きながら
〈さっき部屋に着いたよ〉

〈明日もまた連絡するね。おやすみ〉

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【24. お出掛け4、風(仮)】

中華街に着いた2人は、でっかい肉まんや火傷しそうなくらいに熱々のスープが飛び出す小籠包、北京ダックなんかを散々頬張りながら、お昼ご飯をどの店で食べようかと悩んでいた。
端から端に、隅々まで、行ったり来たり。
「どうする?」
「どこで食べるぅ?」
結局、辛党の彼の意向で、可愛らしい名前の四川料理のお店に決定。
そこで担々麺を啜っては
「かっらぁ…」
麻婆豆腐を食べては
「かっら!」
と連呼する彼。

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【23. お出掛け3 (仮)】

「着いた?」
「うん、今降りたとこだよ。私…どうすればいいの?」
「ん~とぉ~…乗ってたのって前のほう?それとも後ろのほう?」
「たぶん真ん中へん…」
「じゃそっから、“なんちゃらのりかえ口”って書いてある看板見える?…たぶん黄色」
「黄色い看板は見えるけど…何て書いてあるかは見えないよ?ちょっと待って………“北のりかえ口”だって」
「そこ上るか下りるかすると改札口があるから。出たら教えて?」

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