【42. 相対“性”理論② ~理性と本能、そして野性~】
そんな彼[【41.相対“性”理論①】を参照]は…
────
「はい…ど~ぞ」
“レディファースト”みたいに丁寧な促し方をして、運転席と助手席を隔てる宝箱の蓋を開けた。
─ぅん…─
小さく頷いただけの彼女は、先ず手始めに微かな羞恥心を紛らそうと、数ある常備品の中から“いつもの”を取り出し、自らの視界を奪う。
続いて…
おかっぱ頭のシリコン人形[※1]のひんやりとした肌触りを手探りで探し当てると、徐に手繰[たく]し上げた裾の奥に密む、もはや涎の滲み始めた唇へと宛がった。
それを難