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椿の島で感じた私の夏休み / #唐津移住

今年の夏、東京の大学生が根の家にやってきました。

彼女は唐津の離島の一つ、加唐島の椿を使ったコスメを作る会社で
インターンシップを受けるため、唐津にやってきました。

今回は彼女が実際にインターンシップで体験したことや感じたこと、
根の家で暮らした1ヶ月半の思い出を綴ってもらいました。

  自己紹介

東京都内の大学に通う学生です。出身は宮城県で、大学進学を機に上京しました。旅行や音楽、映画、料理が好きです。
佐賀県・加唐島産の椿油を使用した化粧品ブランド「TBK®」を手掛ける、㈱バーズ・プランニングの松尾聡子さんに直談判し、夏休みを佐賀で過ごしました。住まいとして根の家を紹介してもらい、そこで生活していました。これから、私が体験したインターンのことや根の家での暮らしについてお話します。

(株)バーズプランニング/松尾さんとの出会い

TBK®

「地方×化粧品」とネット検索をしている過程で、松尾さんを偶然知りました。
遡ること2022年の春、就職活動がスタートし、私は夏休みにインターンをしようと考えていました。化粧品業界のインターンを探していましたが、1day や3 daysのプログラムが多く、「これでは短い、社会人になるための準備なんだからせっかくならもっと長く働きたい!」と思い立ちました。また、元々旅行が好きだったので、都内ではなく地方で夏休みを過ごしたいとも思い、地方で化粧品を取り扱っている企業を探し始めました。調べてみると、私はこれまで、ドラッグストアやデパートで並んでいるような化粧品しか知りませんでしたが、国産の原材料を使った商品が日本中に沢山あることを初めて知りました。そして「社会派化粧品」という本に出会いました。
 「社会派化粧品」とは、この著者・荻原健太郎さんの造語で、「人を心身から美しくするだけでなく、地域を、社会を美しくする化粧品という思いを込めて『社会派化粧品』と名づける。」と定義されています。その本の中で、日本全国で活動している数多くのプレイヤーの一人として松尾さんが紹介されていました。松尾さんの手掛ける化粧品ブランド、TBK®では佐賀県加唐島産の椿油が使用されていることは前述しましたが、その椿油を使用するまでの道のりは決して円滑に進んだわけではなく、松尾さんの強い想いと確かな行動が島民の方々の心に届き、商品ができたことを読みました。読後、「この人のバイタリティはすごい!」「お仕事楽しそう!」「ワクワクする!」こんな感情を持ち、松尾さんにコンタクトしました。


インターンで経験したこと

加唐島の椿

 化粧品業務だけでなく、松尾さんのデザイナーのお仕事にも携わりました。
前者では、SNSの運営をしたりお客様の声を収集したり、資料作りをしたりしました。また、加唐島に3回訪問させてもらい、この時、まさにTBK®︎は「生産者の顔が見える」コスメだと実感しました。佐賀県は「コスメティック構想」という全国でも珍しい取り組みをしており、県全体で化粧品事業を支援していることも印象的でした。実際に県庁の方とお話できる機会もあり、大きな産官学の渦中に小さく関われたような気がして、嬉しかったです。後者のデザイナー業務では、高校の授業に参加したり、地域アドバイザーのお仕事を見学したりしました。お仕事の内容なので、詳しくは書けないのですが、本当に、本当に勉強になることばかりでした。働く人の傍につきっきりでいられる経験なんて、学生のうちにしかできないと思います。今振り返っても貴重な時間でした。松尾さんには感謝しかありません。

加唐島の港


根の家の暮らし 

根の家4号室

 東京で寮に暮らしていたので共同生活にあまり抵抗感はありませんでしたが、少し不安はありました。「暮らす人とうまくやっていけるのか」、「家はどんな雰囲気なんだろう」、「どんな人が暮らしているんだろう」と。でもそんな不安はいつのまにか消えていました。
1日目の夜、根の家の皆さんと夜ごはんにカレーを作って食卓を囲みました。一緒に料理を準備しながらおしゃべりをしたり、食べながらみんなでまたおしゃべりしたり。その時の笑い声と居間に流れている温かい雰囲気で「ここは大丈夫だ。」と思いました。その後も朝の挨拶や出勤時の「いってきます」や、帰宅時の「ただいま」、就寝時の「おやすみなさい」という日常の挨拶の積み重ねや小さなコミュニケーションが続いて、とても居心地の良い生活を送ることができました。
 根の家は「唐津市への移住を支援する」コミュニティとしての役割を担っています。そのため、根の家の住人は全員県外から引っ越してきた人でした。根の家のお試し移住者と、地域の人や既に佐賀県への移住をした人と繋がれる機会が継続的に何回もありました。私がいた1ヶ月半の間に、根の家の裏側にある鏡山の木を間伐するイベントやBBQイベント、お寿司の講習会など、これまで体験したことない珍しい体験は、ネガティブになりがちな「よそ者」感覚を消し去ってくれたので、夏のステキな思い出になりました。

根の家BBQ


唐津・佐賀の思い出

自然にほどよく囲まれた生活ができました。元々自然がとても好きで、いつも海や山、庭園などを訪れて、葉っぱや風、海の匂いに癒しを求めていました。 佐賀県・唐津市は、海も山も近いので私にとっては本当にリフレッシュできる場所でした。山に沈む夕焼けを見たり、雨の日に山の頂上近くで霧に包まれたり、玄関を出ればすぐに朝焼けが見られたり、透き通った海の水を見たり、波の音を聞いて貝殻を拾ったり。あと、風の匂いも好きでした。周りの植物のにおいが混ざって流れてくる生暖かい風が、常に全身に巡っていたと思います。自然のパワーは、本当に偉大だと感じました。

松尾さんに連れて行ってもらった秘密の海岸
虹の松原の海辺

あとは、お城が見えるのも心がちょっとくすぐられました。私の故郷・宮城県仙台市にも伊達家のお城があったのですが、現在は青葉城「跡」しか残っていません。そのため実際、お城を見ると、唐津という土地は、ずっと昔から誰かが住み続けていて発展した街なんだなぁとしみじみします。
また、生まれてからずっと東北に住んでいて九州に旅行したことがなかったので、なんとなく九州に憧れを持っていました。地理的にとても離れているので、同じ日本でもきっと何か違うんだろうなあと、その実態は未知数でした。実際、食事や言葉、気候は行ってみないとわからないことがいっぱいありました。方言で独特な単語があったり、しょうゆが甘かったり、台風が怖かったりしましたが、それはそれで楽しい経験でした。特に印象深かったのは、福岡を車で走っている時に比較的大きな古墳が住宅街のすぐそばにある光景で、それにはさすがに驚きました。振り返れば、まさに日本の中での異文化体験でした。

最後に

 1ヶ月半という短い間の滞在でしたが、毎日が楽しく、1ヶ月半以上いたのではないかと思うほど充実した日々を過ごせました。その全てが松尾さん、根の家の皆さんをはじめ、佐賀で出会った方々のおかげだと思っています。本当に感謝しかありません。人生を振り返った時に「佐賀での経験が1つのターニングポイントだった」と胸を張って言えるよう、この出会いを糧にして前に進み続けたいと思います。

4号室 R
2022年11月1日

根の家ROOTHAUS
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