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カムヤマトイハレビコと早吸日女神社と宝剣タコ ねんど古事記余話 大分編(6)終

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佐賀関の「高島」と、カムヤマトイハレビコ

大分市佐賀関沖、豊予海峡に浮かぶ無人島「高島」は、神話の時代に「高貴な方」が立ち寄られたことが島の名前の由来となったといいます。

高貴な方とは「カムヤマトイハレビコノミコト」。

後の「神武天皇」の、東遷の途上でした。


また、イハレビコを出迎えたのは「シイネツヒコ」。

佐賀関黒ケ浜から見える、津久見市の「無垢島」は、シイネツヒコがそこまで迎えにいった島だから、と佐賀関一尺屋地区のお爺さんから伺いました。


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「早吸日女神社」の始まりと、イザナギの神剣を守っていたタコ


「神武東遷」神話に纏わる大分市佐賀関の神話で、カムヤマトイハレビコ(後の神武天皇)の祖先・イザナギノミコトのご神剣を守っていた大ダコから、シイネツヒコの命により海女の神イサゴとマサゴが剣を得て、イハレビコがそれを佐賀関の地に奉納し、これがご神体となり「早吸日女神社(はやすひめじんじゃ)」が始まりました。

早吸日女神社では、タコはヤオヨロズノカミの眷属(神様の使い)として神職は口にせず、また現在も、タコの絵を奉納する「タコ断ち祈願」が行われている。


大分市子ども風土記(1)「神々の海」


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2017年夏、大分市より発行。A4Z折り。表面。


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上段

ロケ地/関崎より豊予海峡、高島。


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「高島」と、カムヤマトイハレビコ

大分市佐賀関沖、豊予海峡に浮かぶ無人島「高島」は、神話の時代に「高貴な方」が立ち寄られたことが島の名前の由来となったといいます。

高貴な方とは「カムヤマトイハレビコノミコト」。後の「神武天皇」の、東遷の途上でした。


ロケ地/黒ヶ浜より高島

黒ヶ浜・・「蛇紋岩」という黒い石に美しく覆われた浜。日本の渚百選。


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海部族の祖・シイネツヒコ

イハレビコの船団を出迎え、海の道を先導するシイネツヒコ。

やがてイハレビコが「ヤマト」の国を建国し、そしてシイネツヒコは初代の「倭国造」となった。


倭国造(やまとこくぞう)・・現代の総理大臣や都知事のような立場。

シイネツヒコ・・「速吸の門(はやすいのと)」より亀に乗って釣りをしながら現れた、翁の姿の神。浦島太郎伝承の原形のひとつでもある。


ロケ地/黒ヶ浜。写真左奥に見える2つの島が、津久見市の「無垢島(沖無垢島・地無垢島)」


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大分市子ども風土記(1)「神々の海」裏面。


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「権現礁(ごんげんべい)」という岩礁の前で、カムヤマトイハレビコの船団は突然、動かなくなった。

海底を見ると、大ダコがいて、大事そうに宝剣を抱えている。


ロケ地/関崎灯台横より、豊後水道豊予海峡

写真右奥・・高島
中央奥・・愛媛県の佐田岬、その左手前は佐賀関の牛島。高島、佐田岬、牛島に囲まれた辺りが「関サバ・関アジ」の漁場です。

権現礁・・中央左端辺り


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シイネツヒコの命により、イサゴ・マサゴ海女姉妹が大ダコから剣を得て、イハレビコに献上する。

姉妹は、力を使い果たして息絶えてしまった。

剣は、イハレビコの祖先であるイザナギノミコトの御神剣だった。


ロケ地/黒ヶ浜よりビシャゴ浦姉妹岩(イサゴとマサゴが祀られる)


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下段

イハレビコは、佐賀関の地にイザナギの神剣を奉納し、これがご神体となり、早吸日女神社のはじまりとなった。

ロケ地/早吸日女神社

宝剣タコ・・早吸日女神社では、タコはヤオヨロズノカミの眷属(神様の使い)とされている。



大分市子ども風土記(1)佐賀関編「神々の海」は、2016年夏より3年着任した、大分市地域おこし協力隊 文化・芸術振興部門担当として2017~2019年に第(1)~(3)を制作しました。

大分市佐賀関支所ロビー、道の駅佐賀関などで配布されています。大分にご旅行の際は、どうぞお持ち帰りくださいね。


「ねんど古事記余話 大分編」は、今回の(6)で終わりです。

もしかしたら9月に割と大きめの展示会が開催されたかもしれず、これまで制作した写真物語を展示用に整頓して6月末からnoteにもまとめましたが(大分での展示予定だったので「大分編」はそれ用に用意しました)、疫病過にあって、11月くらいまで延びたかも・・。

まだ作っていない人形や(アマテラス、ツクヨミ、アメノウヅメ、タヂカラヲ、ヒミコ)、人形は出来ていてもロケ撮影がまだのもの(イザナキ、イザナミを淡路島などで)がありますので、「ねんど古事記」のひとまずの完成までにはもう1年は必要でしょうか(ライフワークなので最終的な「完成」はないですが)。

昔ばなしと合わせて、まとめた物語が60ページ近くにもなったので、これを持っての営業活動訪問などはし易くなりましたね。お世話になった県や、代理店、編集者さんにお届けするつもりです。

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