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Traffic – When The Eagle Flies

1974年にリリースされたアルバムで、本作をリリースした後にバンドは一度解散をしている。1994年に再結成をして一枚アルバムを出しているが、その再結成自体が一時的なプロジェクトのようなものであったことから実質的なラスト・アルバムとなっている。バンド解散後にソロ活動を始めたスティーブ・ウィンウッドの80年代における飛躍と比較してしまうと、魅力的なところはありながらも停滞感も感じてしまうアルバム。ウィンウッドの才能を持ってしてもバンドという形態ではこの先の展開を見出すことができないくらいに煮詰まっていたのかもしれない。

アルバムは暗い雰囲気の楽曲が占めている。また、ミドルテンポで長尺の曲が多く、即興演奏のような展開もあるのでロックと言うよりはジャズやプログレッシヴ・ロックに近い。そこが好き嫌いの別れるところだろうか。私は好きなアルバムで、ジャム・セッション的な「Dream Gerrard」「Graveyard People」「Walking In The Wind」が好きな曲だ。ファンクを意識したであろうループするリズムもうまく絡んでいる。このアルバムの録音後にパーカッショニストが解雇されているが、その彼のプレイもいい塩梅が効いている。そこにウィンウッドのプレイするシンセサイザーやピアノが幻想的な雰囲気を作り出している。この時期のウィンウッドは才能の開花がピークに入る直前だったので、バンドの停滞感を感じさせるのとは正反対に瑞々しいプレイを聞かせてくれる。そのアンバランスなところも面白い。

すでに書いたように、暗くて落ち着いていて、かつ幻想的なサウンドは静かに休みたいときに聴くととてもハマるのでそういうときに聴いている。

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