さよならの生涯(内田実)を読んだので感想書きます
おもしろかったです。
後半に置いてあるお話が特に私は好きでした。
『ループ▶』という作品を堺に、独創的な世界観のストーリになったように思う。
なにか章構成?というか、ストーリーの置き方にこだわりがあるのだろうか。そんなことを考えているが、どうなんだろう。
『甘露の残光』が一番好きかな。
世界観が本当に独創的で、いままでに出会ったことのない感じのお話だったように思う。
絶対に失敗できないといったけど、その思いの裏側にはある考えがあって。でも理屈すべてが彼女の人生を決めているんじゃなくて、しっかりとその生き方に従って生きる彼女は、自然とそのような行動が身に着くようになっていって。
いい人じゃないから、いいひとができるんだよ
これは本当にそうだと思う。どこか人には後ろめたい、人には言えない、隠しておきたい本音があって、それに対してある程度の自己嫌悪を抱くことができるから、いい人でいられる。
いい言葉だなと思った。
いい人でいられるひとは、どれだけいい人でないことに対して自己嫌悪できるか、いや自己嫌悪というか、心が痛む気持ちを持てるかどうか。。
私も社会のために、とか
ひとのために、とか
そういった目的が第一に勉強とかしてるわけではなくて。
もっと私に近いところに、目的があるというか。
自分のために、したいことをして、その結果として社会とか人の役に立っているというか、そんな感じ。
なにか上手くいかなかったときにそれが理由では、とてもじゃないけど自分を保てないと思う。
それが人間っていうものだよね。
独特な世界観で、そういう感じのメッセージ(少なくとも私はそう受け取った)を伝えてくれると、本当に心に響く。
飴屋についての実態というか、その世界観をもっと知りたいなと思えるような、素敵な作品たった……
素敵な作品をありがとうございました、内田実先生。