落し物は前歯です②
今日は18時頃ゆっくり起床。
夜から友達と出かけるので、その前に美容院で髪を染めている。金髪卒業だ。
昨日書いた前歯を失くした話に関連して
面白いエピソードがある。
これは、まだ仮詰めだった頃の話。
仮詰めというのは、まぁ取れやすい。
ちょっと硬いものを食べたらすぐ取れる。
そんなスリリングな状況の中、タイミング悪く
初対面の男の子と食事に行く機会があった。
(リスケしなかった自分の図太さに笑ってしまう)
さすがに初対面で歯なしになるわけにはいかない。
硬いものは徹底的に避けよう。食べる時は前歯を極力使わないように。
それはそれは意識していた。
でも、事件は2軒目の焼き鳥屋さんで起こった。
……つくねが軟骨入りだったのだ。
そうとは知らず、思いっきりつくねを噛む私の前歯。
ぽろっ。
舌の上に仮詰めが落ちてくる。
……終わった。仮詰め、とれた。
スカスカの前歯のお目見えだ。
どうしよう、知らないフリをしておこうか。
もしかしたらバレない?いやいやさすがに気づくだろう。かなり迷った。
5分くらい迷った末、私はカミングアウトを選んだ。
「ごめん、後から悶々とされたら嫌だから自己申告するね。
今、前歯が欠けてるの。
」
あぁ、やっぱりリスケするんだった。
友達づてで私に会ってみたいと言ってくれていた彼。
多少は期待もしてくれていただろう。
なのに、まさか。歯なし女が出てくるなんて、、。
申し訳なさでいっぱいだった。
「やっぱりそうだよね、突っ込むか迷ったんだけど、、。」
当たり前に気づかれていた。
悶々とさせてしまって申し訳なさすぎる。
もうこうなったら開き直ってネタにしよう。
「実は起きたら前歯なくてさぁ~」
当然、彼とその後進展することはなかったが
その日はちゃっかり朝まで飲み明かした。
後日、この話を友人にすると、思いがけないことを言われた。
「面白い子を紹介してって頼まれてさ、私の友達辞典の中で1番面白いのがなつだったんだよね」
…面白い?
可愛いとか、見た目がタイプとかじゃなくて?
つまりこれ、むしろ期待に答えられたんじゃ……?
一気に安堵した。
彼とはそれ以来会っていないけれど、
もしまた会う機会があれば聞いてみたい。
「私より面白い女、いた?」
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