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きっかけはそこら中に転がってる【comprehend物語 番外編 ~エスト~】

今回の内容は『以前どこかで聞いた言葉や誰かのふとしたひと言がきっかけでモヤモヤが晴れることがある』について。
身の回りで起きてることを意識的に吸収しようとする姿勢は大切だなぁという話です。

【僕らは確かにここに存在している】というテーマの『エスト』という曲に合わせて話してみます。

どうも、『自分を生き抜く』をテーマに歌ってます、comprehend「コンプリヘンド」というバンドのvo/gtネモトナオヤです。


バンド結成〜現在の話を書いております。
今回も番外編ということで楽曲解説回。時系列が前後しますが、このエストという曲について知りたいと質問をいただいたので話していこうと思います。
質問ありがとうございます!

簡単にこれまでの話をまとめておきます。

【これまでのあらすじ】

幼なじみと組んだ前身バンドが10年活動して止まった。
本気で活動していたバンドが止まり、生きる目標を失っていた自分は今後の生き方をどうしていこうか迷っていた。

夢だったバンドはあきらめようかと悩んでいた時期に祖母が他界。
その出来事が転機に。

当たり前だけど人はいつか死ぬということ
大往生で満足そうに死んでいった祖母のこと
『どういう生き方だったら満足?』という妻の言葉


これらの出来事が引き金となって、
自分のやりたいことをやり切っって死にたい
夢だったデカいステージに立つバンドをやりたい
という決意を固める。

一緒のベクトルで活動できるメンバーを探し、自分を含めvo/gt、ba、drの3人が揃い活動開始。曲を書き溜め、次なる目標はライブ…!
どうやって仕掛けていくか…?

(↓前回の番外編:気になったら読んでみてください)


▼エストという曲について▼

エストというタイトルの意味はラテン語でest=『ある』
これはもともと仮タイトルでした。

制作年は2019年の夏頃。バンド結成から一年と少し経った頃に『両A面シングルを出そう』となり制作。

MVは真夏の東京を舞台に撮影。
(大勢の人が歩いてますがコロナ前だからまだマスクをしてない)
(スケジュールの都合上、メンバー全員集まれないので自分だけが映ってる作品となってます)


▼曲作りの流れ▼

このタイトルにした理由を話す前に自分の曲作りのパターンの説明をさせてください。
(ここの話は長くなるので飛ばしてもらって構いません)

曲を作るときの流れとして…

①アコースティックギターでコードを弾く

②いい響きや進行があったらそこに合わせてメロディを歌う(歌詞のない状態。英語っぽい雰囲気のよく分からない言語で歌う)

③スタジオでバンドアレンジ

④この曲は形になりそうだなとなったところから歌詞を書く

この一連の流れがあります。
(厳密に言うと2人体制になってからは作り方が変わってきてるのですが、今回は3人編成時の作り方の説明です)

いわゆる曲の作り方の詞先、曲先

・詞先=歌詞から作ってメロディをつける
・曲先=メロディから作って歌詞をつける

で言うと自分の場合は曲先で作る方法です。
(これ以外にもリズムから作ったり、効果音から作ったり…色々ありますが、大きく分けた時にこの2つに分類できるかと思います)

自分の場合は①の状態のときにはどんな歌詞を書くか?はまだ定まっていません。
②や③になって曲のメロディやリズム、空気感がある程度見えてきた時に『この曲の歌詞や伝えたいことはこっちの方角だな』となっていきます。
(もちろん、自分たちのテーマ『自分を生き抜く』を中心軸に置いておくのは前提で)


▼タイトルの付け方▼

そして仮タイトルをつけます。(新曲1、2…とつける場合も)
その時に作っていた空気感で付ける場合とインスピレーションを受けていた曲から文字ってつけることが多いです。
(この空気感ってわかりづらいですね…。言語化してみると「力強い音だと濁点が付く言葉」だったり、「やさしい音だとひらがながたくさんになる」といった感じで捉えてもらえれば)

今回のエストという曲はcoldplayのLostという曲を聴いてた時にイメージが湧きました。そして仮タイトルを考えていたときにあるワインの名前を思い出しました。

Est! Est!! Est!!!というワインです。
(そのときにワインを飲んではないし、このワインを飲んだこともないのだけれど名前は前から知っていてずっと頭に残ってました)

その二つが結びつき、タイトルを文字ってエストという仮タイトルが出てきました。


▼透明になってくけど…▼

『自分はなんでこの場所にいるんだろう?』
仲間といるのに『自分が透明でその場にいない人間に感じる』

だんだんと書きたい歌詞が定まってきます。
メロディとサウンドが固まっていくにつれ、昔からぼんやりと感じていたことが引き出されてく。

集団の中にいるのに自分の意識がカラダから離れて俯瞰して見てる。こんな状態を良く感じてました。一歩引いてる感覚に近い。

自分の意思を後回しにして、他人のことや周りのことばかり優先する。空気を読むと言えば聞こえはいいけど、自分を消してる。
場を壊さないように、乱さないように…。そんなことをし続けるとどんどん自分の意思や言葉が遠くなって聞こえなくなる。

透明になって消えてしまった方が楽かもしれない。

それでも…
自分だって自分の意思で生きたいと思ってる。

自分の中にあった気持ちが出てきました。


▼偶然か必然か▼

『このエストって言葉、「ある」って意味なんすねぇ』
ある時、当時のドラマーが仮タイトルについて聞いてきました。

ほぼほぼ歌詞は完成に近かったけれど、タイトルはまだ仮のまま。
どうしようか悩んでいたときでした。

そのひとことで自分の中でまだ形になっていない部分が繋がったのです。

「ある」…

「ここにある」……

「ここに存在している」

どんな群れの中にいようと時代の中に生まれようと自分は確かにここに存在している。透明になっている自分を埋めるものは「存在している」という言葉だった。
そこから残りの歌詞を一気に仕上げました。

偶然か必然か、自分の伝えたいことと見事に繋がった。

決してカッコいいタイトルの付け方ではないですが、ファーストインプレッションって大事だなぁと良く思います。きっかけをくれたドラマーにも感謝。

なんとなく付けたと思ってもどこかしらで自分が感じ取ったものが出てきてるはず。
そして、誰かの何気ないひとことや身の回りで起きてることを意識的に吸収しようとする姿勢は大切だなぁと常々感じます。

時と場合によりますが…
誰かの言葉にまったく耳を傾けず、受け流していたら生まれてない物もある。聞きすぎるのも分けがわからなくなりそうですが、一度受け止めて取捨選択できるようにはしておきたいです。

きっかけはそこら中に転がっていて選ぶのは自分なんだと思います。


今回はここまで。
だいぶ長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。
それでは、今日も自分を生きてやりましょう。

エスト

確かにここにいるはずなのに 透明な気分になっていくんだ
何で僕はこの場所にいるんだとか思うこともあるんだ

このまま終わってしまった方が楽かもと思うことばかりで
それでも心がそうさせないし 僕だって笑いたいんだ

遠回りでも 今、僕は僕らしく生きると決めたんだ
鏡には昨日より少し笑ってる僕がいる


憂鬱な雨は心冷やし 行く手を遮る事もあるんだ
それでも静かに誇らしく 咲いている花もあるんだ

つまずいても 今、君は君らしく歩いてけばいいさ
息をして声を上げたときから君は始まっている


誰でもない 君からの声をもっと聞かせてくれよ
弱くても情けなくてもいいんだ 僕だってそうだから
僕らの小さな声はやがて大きな音になってく
果てしない不安の海も渡り切れる 僕と君となら

エスト収録アルバム『axiology』



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▶︎comprehend(コンプリヘンド)◀︎


『誰かのための人生になってないか?』

『自分を生き抜く』を歌うメロディアスなオルタナティブロックバンド。

激しく繊細。
美しく愚直。
エモーショナルなシューゲイザー、ドリームポップを軸としつつ、グルーヴィー。
あらゆる要素を包括した、ジャンルの枠に囚われることのないcomprehendの音楽を構築する。

comprehend
vo/gt 根本直哉 ba/cho 外山タロウ

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💿2ndアルバム『clarifiology』絶賛配信中💿


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