僕たちは「対話」をして事業を創っている
僕たちの会社は、週に1日だけオフィスに集まるようにしています。
その日が内部MTGの日。
それ以外の日は、自由。
これは、新型コロナウィルス感染症が蔓延しはじめた2020年3月に決断して、翌月の4月には原宿のオフィスを解約して全社的にリモートワークに切り替え、今も同じような状況が続いています。
コロナ禍以前は、朝から1時間刻みでMTGが入り続け、毎晩会食という環境でした。
ところが一変。クライアントである大企業が一斉に出社を見合わせたことで、対面で会えない、会食も禁止になる、というこれまで絶対にあり得ないと考えていたことが起きてしまったのです。
働き方を変えた当初、問題はすぐに起きました。
新規事業を創ることは「対話」が最も重要です。
でも、対面でそれができない。
結局、プロジェクトは複数止まってしまい、継続するプロジェクトもピボットせざるを得なくなり、withコロナ、afterコロナを見据えた事業の在り方を模索せざるを得なくなりました。
これがきっかけで、世間ではBXとかDXとかCXという元々あった言葉が見直され、語られるようになります。
それまでDXは本当にごく一部の世界でしか聞くことはありませんでした。
つまり、世界も、社会全体もトランスフォーメーションしなくてはならなくなったんですね。
[永久保存版]コンサルタントによる知見が詰まった一冊
『守りのDX vs 攻めのDX』(キュレーションズ)より抜粋
デジタルトランスフォーメーションの定義を見直すと2018年には推進ガイドラインが公表されていました。
僕たちの良いところは「行動」です。
でも、それがコロナ禍で封じ込められた。
計画していた資金調達も一旦取りやめ、正直に言うと悩みましたし、考えまくりましたし、社内の一部の人間と今後について毎日、毎晩議論もしました。
この頃から投資界隈ではDX銘柄という言葉が出はじめました。
今でこそ「新規事業」という言葉はあり続けていますが「新規事業なんかしてる場合じゃないよね」みたいな空気も漂いはじめ、
「これからどうなってしまうのだろう?」と先の読めない状況でした。
「きっと社会はこうなるだろうから、それにはこれが必要だよね、だからこのメッセージを出そう、それを伝えられる場所に出ていこう」という模索のはじまりでもありました。実際、このタイミングで、コーポレートビジョンを変えて、伝えるメッセージも刷新しました。
ありがたいことに、こうした不安とは裏腹に、依頼や相談が増え続け、売り上げも利益もここ2年はとても伸長しています。
でも、別のところにも問題があることに気がつきました。
僕たちの会社は、職人のようなエキスパート人材がそれぞれの役割に位置し、彼らを中心にサポートメンバーや業務委託のパートナーさんで構成するので、ジュニアクラスの職能の人たちと対話する機会が作りづらくなったことが最も気掛かりなことでした。
恐らく、みなさんもコロナ禍で毎日顔を合わせて話す機会が作れなくなり、仕事に対する姿勢や取り組み方が激変し、順応するのにとても苦労されたのではないでしょうか?
そもそも、事業を創ることって、そんなに簡単な話じゃないんですね。
毎日違うインサイトが見つかる。
その変化をすぐに計画に反映させなくてはいけない。
それが毎日起きる続けるんです。
何となく目の前の業務をそれなりにこなし、1週間後の報告に向けて準備するような進め方で事業化がうまくいったのを見たことがありません。
新規事業の立ち上げはそういう世界なんだと思います。
「変化しないことは、事業化から遠のくこと」という環境なのです。
だからこそ「対話」は最も重要なんです。
それぞれの役割を持った人が、それぞれ行動で仕入れてきた気づきを共有できないと時間だけが無駄に過ぎ、そうこうしているうちに社会が変わったり、他社がやってきたりするんですね。
この時点で「機会」を逸してしまうのです。
どんなアイデアにもタイミングとか、旬というのがあって、さらにいうと形にして確認しながら進める以外、今のところ正攻法はないと思います。
そんな中で僕たちが今どう言う工夫をしているのか?
機会を見て続きを書いてみたいと思います。
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