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#4.一人で歩いてはダメですか?

こんにちは!
今日は利用者の歩行自立について私なりの考えをつらつら書いていきます。


高齢になると少しずつ体力が衰え、なかには転倒して骨折をする方も増えてきます。一度骨折をするとよく聞く言葉、

『もう転ぶと困るから一人で歩かないでね』

たった一回の転倒をすることで付きまとうまさに呪いの言葉ですね😱

よく一緒に働いているセラピストも自立移行へのタイミングがわからずなんとなく付き添い歩行を続けているケースを見かけます。


また、家族がどうしても転倒、骨折を防ぎたいという望みがあるため、仕方なく自立にはせず、リハビリのときのみ歩行をしているんだとか。

さぁどうしましょ。
家族からは自立にしてもいいけど転倒したら責任はとれますか?などと言われたら普通はガクブルしてしまいますよね(笑)


このケースの場合、当然ながら歩行評価は必須です。バランスはどの程度保たれているのか、耐久性はどの程度あるのか、その他転倒リスクと関連のある機能評価(足趾の筋力、握力、立ち上がりなど)などをできる限り数値化し、総合的に評価することが望ましいと考えます。しかしながら全て基準を満たしていたとしても、過去に転倒歴がある方に対して自立の許可を出すことはなかなか勇気がいりますよね。
だったらリスクを負わずに付き添って歩いてほしいと思うのも無理はありません。

と、ここで家族の方が陥りやすい大きな落とし穴があります。
それは、一人で歩くリスクばかりを見ており、一人で歩かないリスクが見えていないことです。

ちなみに

厚生労働省が推進する「健康日本21」運動では、高齢者の日常生活における1日当たりの歩数目標を男性で6,700歩、女性で5,900歩としています

健康な方でこの歩数なので、甘く見積もっても3000歩程度は1日に歩かないと機能維持は図れないと言うことです。さて介護保険でのリハビリは最高でも週に120分が限度。どう頑張っても毎日3000歩をフォローすることはできません。ましてや一人で外歩きができない方を毎日連れだすことも負担が大きいですし、家の中だけでこの歩数をカバーできる運動を続けることも難しい。次第にどうせ一人で歩けないんだし、、と意欲も低下。食欲もなくなり生きる意味すらも失っていく、、

そう、結果的に一人で歩かなくなることで体力低下はおろか、様々なマイナス因子が次々に舞い降りてくるんです。まさに骨折にも勝るとも劣らない恐怖が。

さぁ、あなたならどちらのリスクを負いますか?

本人が望む、骨折リスクがあり自由でやりがいに満ちた生活?

家族が望む、体力・精神廃用のリスクがあり、安全で無難な生活?

少し極端ですかね(笑)でもこうなると少し迷ってきますよね。何が正解なのかなぁと。


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