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楽しく勝つための現代麻雀技術論

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第31回「テンパイからでもダマテンケアで降りるケース」



 アガって2着のリャンメンテンパイ。特に何も考えず7pを切りそうですが、結果的にはこの7pが下家のメンチン(578p待ち)に放銃してラス。ダマのメンチン放銃はレアケースだから放銃はやむなしと考える打ち手も多かったですが、本当に単なる結果論でしょうか。

 まず着目するのは下家の捨て牌、ハネマン以上直撃条件で捨て牌に手出しの字牌トイツ落としが何と3種、そして最終手出しが9p。極めて奇妙な捨て牌

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楽しく勝つための現代麻雀技術論講座第34回「一点読みのアプローチ」

 麻雀では原則一点読みが不可能であることは「入り目」という概念で説明がつきます。逆に言えば、何らかの理由で何が入り目かが分かっていれば場合によっては一点読みが可能ということ。牌を積む麻雀であれば、他家がツモる牌をうっかりこぼして見えてしまうといった理由でも入り目が分かる場合もありますが、 相手の手牌を覗いているわけでもないのに入り目が分かるケースとなれば、鳴いた時に他なりません。

 一点読みの話

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第33回「他家を信用するとは己の判断を信用するということ」



 オーラスにリーチしても順位がほぼ変わらない役有り聴牌。しかもリーチ棒出費で暫定ラス目に落ちる局面。これだけ聞くと明確にダマ有利と考えがちですが、「リーチした方がアガリ易い」のであれば話は別。今回は南家はこちらに跳満振ってもトップ終了。東家に満貫ツモられるとトップを逆転される以上、南家の立場からすれば北家リーチに対しては差し込みにいった方がよいと判断できます。能動的に差し込んでくれるとするなら

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第32回「勝負手でも半々で当たると分かる牌は止める」



 アガればトップのテンパイ。危険牌を切ってリャンメンテンパイと安牌を切って悪形テンパイなら前者を選んだ方がアガリやすいというのがセオリーですが、5sはいかにも放銃しそうなところです。

 結論から言えば、5sは単に通常無スジより危険というレベルではなく、半々の確率で放銃する牌。前章(第19回)で示したような読みを駆使することで気付くことができます。

 まずは最後の手出しの4sがチーして切られ

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第30回「安牌無しテンパイからでも降りる?②」



 8m4枚切れで悪形ですがリーチしてあがればトップ、しかし放銃してもラス確定ではないとはいえ切る牌はいかにも危険な赤5p、ただし現物は1枚も無い(降りるならワンチャンスかつ安牌水増しができるアンコの2p)、平均順位ベースならこのようなケースは大概押すことになりますが、このようなケースの判断が難しいのが天鳳ルールの面白さとも言えます。

 赤5p切りを一発で5pを切るものとしてシミュレートしたと

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第29回「平和ドラドラ(非アガリトップ)でもダマ?」



 リーチしてツモれば2着、裏がのればトップ、ただし流局して連荘した場合ラス落ちの可能性が残る3着目で続行。ダマでもあがればラス落ちの可能性はかなり減り、場況的にダマなら残り3枚の14pは出やすいところです。

 リーチした場合は下家以外降り、ダマなら全員押すものとしてシミュレートしたところ、リーチがpt期待値(75−30−0−▲105)で上回りましたが、僅差のうえにpt期待値はリーチした場合も

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第28回「裏ドラ期待アガリの是非」



自家36800北家2800東家45300南家13100 供託2本4本場

 ロンした場合下家はトビ確定。裏が乗ればトップ乗らなければ2着。見逃してツモれば裏が乗らなくてもトップ目でオーラス、あがれなくても下位者とは大きく離れているので着順が落ちる可能性は低いです。

 裏が乗ればトップで終了、見逃してツモっても逆転される可能性は残るのでロンしそうですが、見逃した場合残り6枚のフリテンリーチ扱い

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第27回「オーラスリーチ棒出費で着順が落ちるケースのリーチ判断」



南4局 自家33800北家16800東家16200南家33200

 オーラストップ目でも先制役無しなら基本は即リーチがセオリーですが、リーチ棒を出すと一時的に2着に落ちる局面。ダマにしていればトップだったケースは下家がツモアガリするか下家が対面から出アガリするかに限られますが、現状下家が2フーロで安牌中を手出ししているのでテンパイの可能性が高いためそのケースも十分ありそうなところ。もし下家が

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第26回「安牌無しテンパイからでも降りる?」



 良形テンパイですが、2件リーチの両方に両無スジ6pを引かされた局面。点数状況的には非常に押しづらいですが、かといって現物は1枚も無し。Twitter上に画像があげられた時、ほとんどの人が安牌が無いことを理由に打6p一択と考えていました。

 ところがASAPIN天鳳位は打9m(次巡安牌が増えなければ8mアンコ落とし)で強引に降りると主張。私自身も打9mは無理スジと判断しましたが、シミュレーシ

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第25回「超高打点テンパイでも押すとは限らない②」



 またしてもハネマンテンパイですが、両方に無スジ勝負のうえトップともラスとも大差の2着。点数状況的にはかなり押しづらいところ。打ち手の天鳳位の方は迷うことなく打南で降りを選ばれました。

 天鳳位には降段が無いので、何を評価基準にして打つかは打ち手次第でありますが、仮に十段の順位点配分で打つとすれば、打南からベタ降りが打7p押しに勝りますが、(7pよりやや安全な牌を切ってマンガンテンパイにとる

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第24回「超高打点テンパイでも押すとは限らない」



 鳴いてハネマンテンパイとなるとよほどの危険牌でも通常は押すところですが、今回は最終盤。6pがリーチ仕掛け双方に通ったうえにあがれる可能性はかなり低いので、「高打点テンパイ」であることのメリットは大きく落ちます。

 しかも今回はポンして打白(白3枚見えなので単騎にしか当たらない)として、6pくっつきのテンパイを狙うことができます。天鳳ルールでは流局テンパイを狙う技術は特に重要です。前章でも申

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第23回「最終形でリーチの是非」



 打4sなら25mで三色になりますが、7sよりも危険な4sを押すのでアガリ率でも劣り、打7sとしても満貫に届きます。当時シミュレータで両無スジ456を押して出アガリ7翻と、無スジ37を押して出アガリ5翻(脇の二人はリーチに降りるものとする)とを比較したところ、打7sリーチが若干有利。実際は8mだと三色にならない、7sが1チャンスであることからより打7sリーチ有利と言えます。

 2mがリーチ者

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第22回「役満もドラも捨てる一打」



※東風戦

 打4mならツモり四暗刻のテンパイですが現在ラス前。親満貫あがってもトップ率は70%近くなり2着以上はほぼ確定。天鳳は完全順位戦ということもあり俄然リャンメン受けが有力になります。打5mダマでも50符3翻あるのでリーチの得点上昇効率が悪く、5mを切るならリーチよりダマが有利です。

 よって打5mダマと言いたいところですが、今回は打赤5mリーチも候補になります。4赤55mからなら通

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楽しく勝つための現代麻雀技術講座第21回「先制カンチャン役無しドラ1リーチの是非」



 役なしカンチャンドラ1、3s1枚切れとはいえこれだけなら即リーチするところですが、本当にセオリーをそのまま適用してよいのか。親の仕掛けに着目してみることにします。

 親は67pのリャンメンを含め中張牌を数多く手出ししたうえで、334pと持っているところから2pチー打3p。リャンメンターツが余ったうえで1メンツ完成。中張牌の切れ方からも、1フーロとはいえノーテンとは考えにくく、良形テンパイと

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