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宇宙論(27)

 僕は問題を起こして人間社会から隔離されたことがある。それはひどくみじめで、悲しく、どうにも表現しきれない体験だった。僕は恐れられ、ある種の世界から忌避された。

 そこで僕が深く向き合わざるを得なくなったのが倫理というものだった。僕の倫理観は乏しい。悪いこともたくさんしてきた。そんな人間でもまだ生かしてもらうことができている。

 感謝しかない。反省しかない。もうやり直せない過去。抱え続けるしかない。僕は天使のような素振りで神さまを殴ったのだ。

 愛は暴走する。戒めなければならない。人を愛するということは深淵を覗くことと同義だ。容易いものではない。

 しかし、考えすぎも心と身体にはあまりよくない。生まれ変わっていく。それは人間が生まれて死ぬまでに与えられた唯一とも言える自由。

 生まれ変わっていく。善悪を超えて。その彼岸へ。

 それはわたしたちに赦された自由。

(2024.5.4)

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