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大人数アイドルに圧倒的センターは必要なのか〜欅坂46とモーニング娘。比較〜

こんにちは。まーちゃろです。

ハロヲタを自称してるため他のアイドルに詳しくないと友人知人から思われるのですが、坂道グループはヲタクとまでは言えずとも、テレ東レギュラーの3番組(乃木坂工事中・欅って書けない?・日向坂で会いましょう)は欠かさず視聴するぐらいに好きな、所謂茶の間ファンです。

その坂道グループの1つである欅坂46が8月21日に配信シングル『誰がその鐘を鳴らすのか?』を欅坂46としてのラストシングルとし、10月のラストライブをもって活動を終了。グループを改名し新たなスタートを切ることを発表しました。

この発表は配信された無観客ライブで行われ、涙目になるメンバーもいました。また個人的に印象に残ったキャプテンである菅井友香の言葉を上の記事から引用します。

たくさん楽しい思い出があった一方で、正直くやしい思いもたくさんしてきました。メンバーの卒業、脱退も続きました。グループの名前が一人歩きして、耳をふさぎたくなるようなことに悩まされた日もありました

固有名詞は出さずともこの発言をしたことは衝撃でした。2018年からの2年間は主要メンバーの活動休止・卒業・脱退が相次ぎ、志田愛佳・織田奈那の熱愛報道や長沢菜々香の結婚発表などで、少しごたついたイメージを持たれる方もいるでしょう。しかし刑事事件を起こしたり不倫などのモラルに反するような不祥事があったわけではないため、個人的には改名するほどブランド価値が大きく下がったわけではない、と思いました。

グループの顔が固定化されること

では、なぜ改名するのか。

やはり1番はセンターである平手友梨奈の脱退が関係していると思います。デビューシングルである『サイレントマジョリティー』から『黒い羊』まで8作連続で務め、欅坂=平手友梨奈というイメージが完全に出来上がりました。4年前サイレントマジョリティーが世に出された時、平手友梨奈は持ち前の表現力と圧倒的な存在感で、最年少14歳のセンターとして欅坂の顔になりました。

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平手友梨奈(当時14歳)

大人への訴えや社会の嘆きを歌った歌詞と笑わないクールなパフォーマンス。
そんな今までのアイドル像を根底から覆すような楽曲がアイドルファンだけでない多くの人の心を掴み、欅坂はデビュー年にしてオリコン1位、紅白歌合戦に初出場を果たすなど躍進を遂げました。こうして平手友梨奈は欅坂46の絶対的センターとなります。

しかし、そんなセンターとしての立ち位置が彼女にとって重圧となり、体調不良による休業が増え、明らかに笑顔が減り、レギュラー番組である『欅って書けない?』に出演する回数がレアになりました(ちなみに昨年出演したのは4月21日と28日の放送回のみ)

センターになる素質のあるメンバーはいる。
『サイレントマジョリティー』で隣のポジションで平手を支えた今泉佑唯鈴本美愉、平手に次ぐ知名度で坂道AKB第2弾でセンターを務めた長濱ねる、 2018年の紅白歌合戦など多くの代打センターを務めた小林由依など。

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(左上から右下へ)今泉佑唯、鈴本美愉、長濱ねる(3人共グループを卒業)、小林由依

しかし良くも悪くも平手友梨奈はセンターでしかパフォーマンスをすることが出来ない。それ故に平手友梨奈が欠席した2018年の日本武道館3days講演は欅坂46としてのステージを取りやめ、けやき坂46(現・日向坂46)が代打を務めた。

圧倒的センターがいることによってグループが形づけられ人々は「グループは詳しくないけど、このセンターの子は知ってる」という認識になる。しかしそのセンターにかかるプレッシャーは計り知れない。乃木坂46の結成当初に5作連続でセンターを務めた生駒里奈は、6枚目の選抜発表でセンターを外れた時に安堵感で過呼吸になった。

もしも安倍なつみが単独センターを続けていたら

ハロプロの話に変わるが、そう考えるともしモーニング娘。が7枚目シングル『LOVEマシーン』の段階で後藤真希のような目を引く逸材が入らなかったら、それまでの絶対的センター・安倍なつみはどうなっていたのか。

後藤真希が加入してから1年ほどは、ポジションやパートを奪われたストレスが見た目や私生活に表れるようになっていった。しかし『LOVEマシーン』の一個前のシングルである『ふるさと』は安倍なつみのソロ曲といっても過言ではないほど安倍のソロパートしかない。しかも鈴木あみの『BE TOGETHER』とテレビ番組ASAYAN内で同時発売ランキング対決が行われ、鈴木が1位・モーニングが5位と完敗した。

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(右)ふるさと(左)BE TOGETHER

彼女は後藤真希の加入を振り返り「私には無いものばかりを持っているけどそれを認めたくなかった」と言っている。もし後藤真希が加入してセンターにならなければ、モーニング娘。が国民的アイドルになることは無かっただろうし、グループの色も全く違うものになっていた。自分のポジションに後藤が着いたことに対して悔しさはあったけれど、グループの顔としてかけられる重圧からは解放されたと思う。こうしてモーニング娘。は安倍なつみが在籍している間に後藤真希とWセンター体制になった。

後藤真希が卒業してからは高橋愛石川梨華がセンターを務め、安倍はセンターのサイドでサポートに徹することが多くなる。安倍が卒業してからは引き続き高橋愛、そして藤本美貴田中れいながセンターポジションを務め、プラチナ期を経て鞘師里保へと変遷していった。

それだけではなく『ザ☆ピ〜ス!』では石川梨華が後藤・安倍を両脇に添えセンターを務め、プラチナ期最初のシングルである『女に幸あれ』では久住小春が、『そうじゃない』では牧野真莉愛がセンターを務めるなど通常ポジションではセンターではないもののシングルに応じてセンターが変わることもよくある。


センターは常に必要なのか?

さて、そんなモーニング娘。は鞘師里保が卒業してから絶対的センターは存在しない。歌割が多いのはリーダーの譜久村聖、佐藤優樹、小田さくらではあるがいずれもセンターポジションであると断言出来ない。

一方で欅坂46も『誰がその鐘を鳴らすのか?』では小林由依がセンターという見方もあるが、菅井友香・守屋茜・渡邉理佐・森田ひかるがセンターに出ることもあるので"センターはいない"という認識がされている。

もっともグループの知名度が上がるまでは、乃木坂46の生駒里奈日向坂46の小坂菜緒のようにメンバーに誰がいるのか一般人には分からないのでセンターを固定することでグループの知名度を上げる戦略は大切だが、ある程度名が知られてきたならばグループを底上げする段階であり、メイン歌唱のメンバーは保ちつつもシングル毎にセンターをローテーションしても良いのではないかと思う。

確かに欅坂46は平手友梨奈という絶対的センターがいたからこそ彼女が入り口となり他のメンバーを好きになる人が増えた。だからこそ"平手友梨奈のいない欅坂46"は創られるべきだった。しかしそうするにはあまりにも欅坂46を平手友梨奈にしすぎてしまった。ここから変わっていくには改名することしか選択肢が無かったのかもしれない。

そしてモーニング娘。も'14でパフォーマンス力の高い鞘師里保が入り口となり注目度が高まった。2015年に卒業して譜久村・佐藤・小田がメインになることが増えたが、その体制ももう5年続いてる。世代交代も考えるともっと12期以降をメインにした楽曲を作ってほしい。とは言っても最近は『人間関係No way way』や『青春Night』など12期以降がメインを務めるシングルも多くなってきている。将来有望の15期も加入してきたので、センターやメインをローテーションさせて冒険してほしい。

個人的見解として人気が出てくるまでの黎明期はセンターを固定させ、人気が出たらセンターをローテーションさせるのが1番良いグループの在り方だと思う。当たり前といえば当たり前かもしれないが、人気が出たからこそセンターを変えづらくなることはある。特に欅坂はデビュー1年で人気が出たのでそういう意味でも平手友梨奈センターで固定せざるを得なかった。

両グループとも1つの体制に拘らない姿を見てみたい。欅坂ではなくなる欅坂の姿も先輩に頼らないモーニング娘。も私は楽しみだ。









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