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1月23日|腕3本のやつ

起きると寝汗でびっしょりだった。まだ外が暗い。
まだまだ起きる時間じゃない。昨日の夜は眠すぎて23時半には寝たのに、それを巻き上げるくらい早く起きてしまっている。夫がわたしを支柱にベッドを斜めに横断しているため、ベッドの端っこしかスペースがなくて体のよくわかんないところが痛い。ちょっとイラっとしてしまう。

眠気はないのだが、目を閉じるとまた眠ることができた。
地球温暖化になって海の中に住むことになった世界。人間の形のものもいれば、生まれながらにして魚の形のものもいれば、人魚の形のものもいる。得て増えてはあれど、みなさまざまな姿で平等な世界。そんな世界でも悪い奴はいるので、それをこらしめる人が必要だ。そこで、その世界のアベンジャーズ的な集団が組まれた。力自慢のもの、3本の腕を使いこなすもの、超能力が使えるもの・・・。わたしはその中の一番いい感じの能力で一番かわいい人魚だった。人魚は比較的に歌が得意なので歌で眠らせることができたりする。アベンジャーズ的な仕事をやりながら、わたしは腕3本のやつに恋心を抱いていた。周囲から一目瞭然でわかるくらい両思いなのに、なかなか付き合わない、一番楽しい期間のやつ。

アベンジャーズ的な仕事をしていると、なぜかどんどん仲間が減ってしまう。いとしの腕3本のやつの行方も不明。そんな中、戦争になってしまう。戦争になるとやはり最前線に駆り出される。戦っている相手はどんどん市民を食べてしまう所在のわからない怪物。市民を巧みに騙し、集めては全員を食べてしまうような事件もあった。そんな抗争である日、腕3本のやつを見かける。嬉しくて駆け寄るが、様子がおかしい。ついに市民を次々と口に運んでいるところを目撃。食べるにつれ。体はどんどん強固になっていく。

意識を戻そうと奮闘。ついには仲間をも食べてしまう腕3本。食べれば食べるほど強くなる彼に誰も太刀打ちができない。

ついにはわたしも半分食べられてしまう。人魚を食べるとさらにパワーアップするらしい。そのかいがあってかなかったか、ついに腕3本が政府によって捕まってしまう。離れたくない私。しかし、もう意識は遠のいていく。仲間と腕3本との思い出が蘇る。腕3本へ必死に話かけるわたしも、政府に連れられていく。

真っ赤な空間に真っ黒な監獄。わたしも政府職員に抱えられながら階段を降りてゆく。特別な医療処置室か?と思うとある扉が開き、あっという間に食べられてしまう。そこにいるのは、腕3本。

腕3本は政府の実験によって正気を失ったかわり、人を食べると強くなる人喰い半魚人として調教されていた。なにもかも政府の自作自演だったのだ・・・・

目が覚めると、家を出る時間をすぎていた。
壮大な夢をみたからかまた寝汗でびっちょりで体は重だるく、到底いまからすぐに出発できるわけがなかった。

やっと動けたのは15時。
まだ心の中では腕3本との悲痛な別れで胸が締め付けられそうだった。

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