自分で思ってた以上に私は笹だんごが好きだった。
近場の少し大きな駅まで買い物に行ったら、駅前で新潟名物の笹だんごが売られていました。
私は群馬県出身なのですが、夏に海に行くとなればそれは新潟の海でしたし、冬にスキーに行くとしてもそれは新潟のスキー場であることが多く、そのせいか子供の頃からよく笹だんごを食べていました。子供の頃から、私は笹だんごが大好きでした。
私は笹だんご以外でも、葉っぱに包まったものは大抵好きです。
桜餅とか、柏餅とか、ちまきとか……。
葉っぱに包まっていることを、高く評価しがちです。
なんでかと言われると……。昔っぽいし、自然っぽいのがなんかいいから……。葉っぱの香りが移るのも素敵ですしね。
でもその中でも一位を決めるとしたら、やっぱり笹だんごが一位です。
なのでその笹だんごの期間限定ショップの前を通り過ぎながら「帰りに絶対買お」と心に決めたのでした。
わりと笹だんごを見かける機会って少ない気がします。私は今まで、ほとんど見かけたことなかったです。
そして諸々の買い物を済ませた後、私は無事に笹だんごをゲットしました。ふへへ、何年ぶりかな笹だんご。
笹だんごを見て夫も娘も、普段とは段違いの興味の示し方をしていました。
やっぱりね。人類は大体、笹だんごが大好きなんですから……。ふへへ。
笹だんごは袋入りで売られていたのですが、袋から取り出すと五個の笹だんごが繋げて縛ってありました。
わあこの繋げて縛ってある感じも良すぎるな……。なんで繋げて縛ってあるのかは、よくわかんないけど。
あんまり笹だんごがかっこよかったので感激して何枚も写真を撮ってしまい、娘から「まーだー?」と催促されました。
娘はこれが人生初の笹だんごだったのですが、食べていなくてもそれが素敵な食べ物であることはわかっている様子でした。
そして紐をほどいて笹を開いてみると……。
スーハースーハー。
いやあやっぱり笹だんごはいいなあ。いい香りだなあスーハースーハー。
私は食べる前にまず笹に鼻を近づけ香りを楽しみました。
すると一気に多幸感に包まれ、自然と笑顔になっていました。
ふへへ。ふへへへへへへ。
私が香りを楽しんでいるうちに娘は笹だんごを食べ始めていました。
娘は普段、オクラ以外の緑色のものはほぼ食べないのですが(オクラは星に似た形でかわいいから食べる)なぜかこのヨモギの練りこまれた団子を躊躇なく食べていました。
「娘、笹の葉の香りをかいでごらん」
私がそう勧めると、娘は葉に顔を近づけてから、スッと天井を見上げて笑いました。その際、ほんの一瞬白目になったのを私は見逃しませんでした。
「ふぁあ、いいにおいだあ」
なぜ笹だんごの香りはこんなに人を幸せにするのでしょうか。
好きな香りをかぐと幸せになるからなのか、笹やヨモギにそういう効果のある成分が含まれているのか。
グーグルで「笹だんご 香り 多幸感」などと色々打ち換えて検索してみましたが、どうしてなのかはわかりませんでした。
香りだけでなく、もちろん私は笹だんごの味も好きです。ヨモギの風味があり、ほのかな甘みでもちもちしすぎない食感で、とっても良きです。
でもやっぱり香りですね。
食べ終わった後も、私はしばらく笹の葉の香りをかいでいました。
この香りのお香にして焚いておけば、幸福度がアップして笑いが止まらなくなると思います。
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