声の波形

※闘病の話です

なんで生きているんだろう、と、たびたび思う。死んだ方がすっきりするんじゃないだろうかという気持ちに悩まされる。

音声配信を始めたのは、ちょうど、1年前の10月10日だった。
その当時の「初めまして」の録音は、とても小さな本当に「病気病気した」声だった。

録音アプリは波形が出るが、最初の録音と、最近の録音を比べれば、波形がまったく違う。波の大きさからも、今の方が、声は出ているのがわかる。

必死に、最悪だった頃よりは、良い事が起きていると自分に言い聞かせる。
しかし、理屈じゃない憂鬱な気持ちに襲われる。

病気の人間は、水の中に落ちているのと似ている。
人間誰しも、何かの分野や、何かの所属から離れていれば、心や体の面でも、離れていく。

やり慣れていたことを忘れてしまったり、やり取りがないので、そこの仲間との共通の話題を失っていったり、疎遠になるという奴になる。

健康な人と、慢性的な病気がある人とを比べたら、流された時の距離の離れ方が、かなりきつい。
離れた上、水の底に沈みそうな気がする。

非常に心身を酷使したとか、トラウマになるような出来事があったとか、そういうことではない。
多分、温度差や湿度の高さなどで、痛みが増し、自律神経も大きく振れて、気持ちが沈んでいるのだと思う。

良い材料を自分に言い聞かせても、イライラや落ち込みが激しいのは、とても辛い。
でも、我慢するしかない。

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