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地方在住、広告コピーライターの悩み。

私の仕事はコピーライターである。しかも地方の。

よく間違われるのだけど、ライターではない。

もちろん、地元の雑誌で
ライターとして記事を書いたりすることはある
(一応巻末クレジットにも載ることもある)。
けれど、基本的には広告案件がメインなので、
スローガンやキャッチコピー、新聞広告や
テレビCMからネーミングまで、
企業がなにを言おうとしているのかを
イタコのように察し、世の中に出すのが仕事だ。
それも、誰にでも読みやすく、そこそこ世論とか
状況を反映しつつ、短いキャッチコピーからはじまり、
いかに読んでもらえるかを考えながら書く。

基本は誰も読みたくない状況の、例えば街角や、
記事と記事のスキマ、テレビやyoutubeのスキマに、
ひょこっと現れる時間が私の主戦場である。
そう、それが広告。
広告だけを好んでみるのは宣伝会議の講座に通っている人か、
広告業界に就職したいと考える人、
そして現役の広告クリエイターくらいであろう。
知らんけど。

とはいえ、
地方でコピーライターですと名刺を出しても、
8割「ライターの矢野さん」と呼ばれる。
ライターではないんです、コピーライターで・・・
というのももう面倒で、あははそうなんですよと
そのまま流すようになった。
説明してもよくわかってもらえない。
だいたい決まって「糸井重里みたいなやつね」
と言われる。レジェンドすぎて、もはやそうですとも
言いづらい例えをいつもいただくのだが、
まあそれが現状一番近いかもしれない。

「コピーライターは儲かる」というイメージ

コピーライターというと、いまだに
キャッチコピー1本100万円、
というイメージが強いらしい。(宣伝会議賞か!)
そんなんあるかい、と思うのだけど
(いやそりゃ第一線の人たちは別にして)、
実際のところ私のような地方在住コピーライターの料金も
ピンキリではあるが、例えば

20文字に足らないコピーで数十万いただくことはある。

もちろん1本に至るまでに脳味噌が沸いて
白子になるくらいには考えるし、
打ち合わせも数多く同席したり、
ああでもないこうでもないというやり取りを重ねた結果で、
ペロンと簡単に出てくるコピーなど、皆無である。
(特に私は、コピーを書くのが遅い。)
そして、そもそもそんなバジェットのでかい仕事は、
地方には滅多にない。

文字数が少ないのでもっと安くならない?
と聞かれることも、数年に1回はある。
短ければ短いほど難しいことは、あまり理解してもらえない。
某クラウド系のアウトソーシングサイトでは、
1本500円とかいい方で、1万円で100本提案します、
みたいなのがゴロゴロあるから恐ろしい。
AIが作ってんのかな。
(まじで何も出ない時に発注したくなるけど、
流石にそれはまだやったことがない。)
取材記事で何文字何円、というカウントをすることも
ないとは言わないけど、基本的に取材も自分でないと
聞き出せない案件だと思っているので、
あまりその計算はしたくないのが本音だったりする。

あ、それと同じくらい、
「ここにちょっとコピー書いてよ、すぐ」
みたいな感じで言われることもある。
「名刺の上にちょっといい感じの言葉を入れたいんだよね〜
ほら、水と生きる、みたいな。」
とかいうのが一番嫌いである。
言わんけど。



いただいたサポートで、ちょっと変な経験しにいってきます。