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[島日記:12]島の空き家問題。

最近、久々にかかってくるお仕事の電話で9割がた
「島に事務所を構えたんですって!いいなぁー!」
という話題から始まるようになりました。

世の中的にも離島暮らしは憧れの一つらしく
(わたしの場合は通勤ですが)

お手伝いしているNPOにも
松山市内や県外からのアクセスも良いのもあってか
移住希望の連絡がよく届きます。

離島の空き家はここで検索

→離島の空き家
https://ritou-akiya.com

地方の問題でもある、空き家問題。
過疎が進む離島では、なおさらです。

実際、同じ県内に住んではいても
現役世代の人は仕事の関係もありますから
実家が島にあるけれど、
島にいるのはご高齢の親御さんのみ、という場合も多く。
住民票は島にあっても、ほぼ別の場所で暮らしている・・・
なんていう状況も珍しくありません。

島の家はとにかく古い

島では
本家・分家 のような感じが多く
大小たくさんの民家があります。
(名字が同じ家がたくさんあるのも島の特徴ですね)
昔は興居島でも2名市議会議員を出すほどの人口があったそうですが
今ではその集落も、人の気配はまばら。
「家はあるけど住んでいない」
「昔は家族が多かったがいまは独居」
というところが多いようです。


わたしが借りている家は築35年くらい。
島の中ではかなり新しい部類の家です。
うちから少し降りたお家は、築100年超え。
江戸末期にできた蔵もそのまま残っています。

おとなりの空き家、基礎がコンクリでないので
おそらく明治前後

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襖紙には、なにやら書類や、
書き損じが使われているのも珍しくありません

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すっかり表紙が剥がれていますが
なかなかの保存状態...

確かに、島にいると、
リフォームの訪問販売もこないでしょうし
島の大工さんがつどつど直して
大事にすまわれていたのでしょう。

古民家に住むためにいくらかかるか

雰囲気あって素敵な家ですが
実際に住むとなると話は別です。

雨漏り、シロアリ、床抜けなど
屋根を直すとなると数百万円費用を覚悟しないと
ふつうに住めないといわれています。
大きな家だと、桁が一つ変わります。
ここ数年まで住んでいた家なら
トイレやお風呂、キッチンが使えてまだよいのですが
数年、数十年空き家になっていると
水回りのリフォームも必要です。

工事もたいへんです。
島の坂道は狭いためトラックが通らず
解体や廃棄物処理も、最悪手作業となり
人件費が跳ね上がります。

家を一軒建てるつもりになるか
宝くじでも当たらないと
思い描くような古民家ライフは難しいのです。

いつか、を待つか。未来につなぐか。

もしかしたら子どもが帰ってくるかも...
と期待して待っている高齢の親御さんも多いですが
お子さんたちもなかなかの年齢、
それぞれに住む環境ができていれば、
いくら故郷とはいえ、
移住はハードル高いのが現実...

あと、売ろうと思ったときに
雨漏りなどの修繕が必要な物件だと
どんな大きな家でも二束三文となります。
(掃除や解体が高額になるため)
島の移住が人気とはいえ
すぐ住める家でないと、賃貸も借りてはつきません。

(移住のハードルはお金だけではありませんが
それはまたの機会に...)

いつか処分しよう。
...と言っているうちに、家が使えなくならぬよう
手入れをこまめに入れておけばよいのですが
なかなか難しいのが現実。
このあたりも、どうにかよい方法がないか...

島の景観や家好きなものとしては
なんとかしたいところです。

いただいたサポートで、ちょっと変な経験しにいってきます。