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G・ガルシア=マルケス 木村榮一訳『コレラの時代の愛』を読んで

一人の男が、待って、待って、待って51年以上。

それだけ一人の女を待ち続けることができたということは本当に素晴らしいですし、何か奇跡のような素晴らしさを思えます。

夫婦、というものは不思議なもので。

カルチャーショックの連続により日々が成り立っていくわけですが、バディであり、相棒であり、運命共同体な、わけです。

そこに、相手を思う気持ちがあればなおのこと、相手を信じて待ち続けることができたのかもしれません。

結婚は誓いでもあって、一緒に生きると決めた覚悟でもあります。

誰かと一緒に生きていくことは、簡単そうで実は一番難しいこと。

暮らしていくうちに相手の知らなかった顔が見えてくるし、自分自身の知らなかった顔さえわかるようになる。

そしてなれ合って似てきて、夫婦になっていく。

そんな大きなやさしさこそが愛だと思うし、伝染病がはやったこの時代にも、そして今にも通じることなのかもしれないなと思いました。

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