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川上未映子『愛の夢とか』を読んで
この短編集に出てくるのは、夢のような現実のような物語です。
時々、あれ? これって夢? って思う現実のことだったり、えーこれ嘘でしょ? って思う夢のことがあったりします。
事実は小説より奇なりとはよく言ったものですが、事実は小説より奇なり、より現実に近い小説の方が面白かったりします。
私は最初の「アイスクリーム熱」という作品がとても好きで、これって私小説なんじゃないかと思えるほど淡々と描写されているのが好きでした。
人を好きになること、一時その人が冷静すぎることにささやかながら黙ってしまうほどの苛立ちに似た気持ちを持つこと。
まあよくあります。
私はこの短編集自体は大学生の頃読んでいて、サーティーワンを食べに行く途中で読んでいたので、一層思い入れが深いというか……
その頃私には彼氏がいなかったし、女子大だったのでそんなに機会にめぐまれなかったなあ……
アイスクリーム屋さんでアルバイトでもしてみようかなと、本気で思いました。
うっわー幼稚。はずかしー!!笑
でも、アイスクリーム屋さんにこんな素敵なお客さんが来たら恋しちゃうよね、と同感した小説です。
他の短編も面白いので、ゆっくり夜に読むのがおすすめかもしれません。
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