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kitaq0
池井戸潤『ノーサイド・ゲーム』を読んで
この本を読み終わった後、呼吸を整えるのに5分必要でした……。
池井戸潤さんは本当にスピード感がよく、読んでいるこちらとしても走っている感覚で、読み終わった後にはいい汗をかいたような、まさにスポーツの後のようなすがすがしさがあります。
トキワ自動車の経営戦略の先鋭、君嶋は上司の滝川の仕組んだ左遷により、横浜工場に異動となる。しかし、そこで君嶋が「アストロズ」という本社のラグビーチームのゼネラルマネージャーをつとめることになり、首の皮一枚で上位チームにつながっていたアストロズに次々と変化が訪れる。
池井戸潤さんの小説はあくまで中小企業のお仕事小説がベースだと思うのですが、そこに「働く人」という人間味が満ちたものが感じられるんですよね。
この君嶋も大変頭のキレる経営者としてアストロズを率いていくわけですが、そこで生まれる選手たちとの葛藤やともに味わう喜びがあふれ出てきます。
これは、「一緒にものを作り上げていく」という仕事の根本的なものとつながってくると思います。誰か、と一緒、何か、と一緒。そうしなければ仕事って、生まれないと思うんですよね。
何かに熱中することを久しくしていない……となんだかくすぶっている方におすすめしたいです。
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