![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42869455/rectangle_large_type_2_52d31a1a880a8ab1b1fdb070e84a4a19.png?width=800)
Photo by
aya_ashiato
いしいしんじ『トリツカレ男』を読んで
いやあ、信じることって、そして夢中になることって、バカみたいだけど、おめでたいけど、素敵な幸福なことなんだなあ。
ジュゼッペは街の変わり者。なんでも「とりつかれたように」ハマってしまって、そこから抜け出せなくなる。探偵ごっこ、オペラ、サングラス……そんなわけで、彼についたあだ名は「トリツカレ男」。そんな彼の前に現れた無口な少女ペチカ。彼女と、少しずつジュゼッペは心を通わせていきます。
私、3・4年前にもこの小説読んでたんですが、すっかり忘れていました。
本当にピュアでまぶしいラブストーリーで、そうだよなあ、恋人で夫婦になって長く続いていると、どちらもどちらで似てくるんだよなあ、とにまにましてしまったり。
ジュゼッペの弱さは、「自分」がないこと。だけど、「なんにでもなれる」って強さなんじゃないか、そうも思います。
子どもの頃、「ヒーローごっこ遊び」とか「ヒロインごっこ遊び」とか、はやりませんでしたか? 私はセーラームーンやおジャ魔女どれみが大好きだったので、よく友達と幼稚園や小学校でしていた気がします。
誰かになる、とか、夢中で「誰か」を演じていると、いつの間にかそれが自分になってしまう経験。だれしもあるのかもしれませんね。
そんなピュアでまぶしい「信じること」を子どものようにまっすぐに信じた男のラブストーリーです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?