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【日記・エッセイ】無を愛することって?

こんにちは。長尾早苗です。
先週末は無理に用事をいれず、ゆっくりと詩を書いたり朗読したりしたい日々が続いていました。ゆるゆると書き物の仕事や用事で埋まってしまったのですが、よい休日でした。

今日は詩人にとって大切な要素といわれた「無を愛する」ことについてと、少しだけ日記のような近況報告をお話ししていきます。

無を愛することと初めて出会った日

大学を卒業してすぐの時に、TOLTAさんという詩のユニットからお声がけいただき、『現代詩100周年』というアンソロジーに参加しました。
当時はポエケットも盛んだったので、詩人の友人が多くできていたころ。
アンソロジー発刊後、TOLTAさんがダダイズムのイベントを青山スパイラルというビルでやっていたので夜に遊びに行きました。
先輩詩人のヤリタミサコさんに声をかけられ、一緒のテーブルに座ってイベントを楽しんでいました。するとそこにもう一人先輩詩人の姿が……!
彼女から、「詩人は無を愛する生き物なの」と教えられ、当時はよく意味がわからなかったのですが、最近になってわかりました。

スケジュール帳の空白

スケジュール帳の空白を埋めたい!
今まではそう思っていて、そうである日々が充実した日々であると思っていました。それはまあそうなんですが、わたしも30代になってきて、スケジュールから解放された日や、静かな晴れた朝も昼も悪くないなと思いました。
わたし自身は小さく旅に出る日々が続いていましたが、昔した大病を手術してからは疲れやすい体になっていたので、ちょっと休憩をはさんでいて、スケジュールからの解放を目指したりしていました。


わたしの旅記録として使っている「のほほん手帖2023」(七月堂)

この「のほほん手帖」では、スケジュールを書くページと雑記ページがあります。まだ三月なのに上製本がぼろぼろになりそう……。たくさん使っていこうと思います。
詩人はいつどこででもボールペンとノートが必要のように思うのです。(スマホのメモでももちろんいいです!)
自分が生きてきた記録みたいなものを残し続けるために、必要なのが「無を愛する」ことでした。なんだか禅問答みたいですが、「何もない休日もいいものだな」と思えるようになったら、時間の考え方も何かからの執着からも逃れられるのかもしれない。

若いからできること・若くないからできること

この前、まだ20代前半の詩人の方とお会いしてきました。5日間ほど東京に滞在していたそうです。そうだよなあ、大学の春休みは誰かに会いたくなるよなあ、と思いながら、若さをしっかりと持った詩人さんと、詩のことについて語っていました。
わたしもまだまだ30歳だけれど、今は誰かから誘われたらフットワーク軽くどこでも行きます。そしてそこの詩を作るという作業をくり返していました。旅に出るのは若いからできること。そしてその中で刺激を受けることももちろん大事ですが、刺激を受けた後にまた日常の「無」に戻っていくのは、若くないからできることなのかもしれません。

近況報告

・詩誌La Vagueの活動で寄稿詩人の紹介の記事に掲載してもらいました。

・北爪満喜さん率いる現代詩の会の新刊『詩誌ハルハトラム5号』の完成に向けて動き出しています。わたしも寄稿して、文学フリマ東京で『詩誌La Vague vol.0』と共にわたしのブースで売り出します。ぜひみなさん遊びに来てくださいね!

・文学フリマ東京関連。『文芸創作ほしのたね23号』、完成に向けてがんばっています! ぜひこちらのブースもチェックしてみてください。

・青葉台で街歩き散歩、中目黒で友人とカフェで執筆、みなとみらいの神奈川近代文学館で大学時代に入っていた朗読サークルの朗読会がありました。
丸の内では詩人の星野灯さんと詩についてお話しして、一緒にケーキを食べたりしました。神田では和紙作家の森田千晶さんの個展「紙宮」を観に行ったりしました。


晴れの青葉台東急スクエア。


こんな感じで記録しています


中目黒のカフェで。二時間制は厳しいですね……小説を書いている友人と。


みなとみらい。3年ぶりの朗読会は圧巻でした。


東京駅丸の内近辺のKITTEで、ぬいぐるみのアーモさんと星野さんと。
瑞々しい感性でした。


個展「紙宮」内部。
これ、全部和紙なんです!
森田さんは楮を育てるところから紙を作っていらっしゃる作家さん。
四年振りの再会でした。

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