【Podcast書く人のきまぐれラヂオ】#40 昭和から平成を彩った詩人スペシャル②
はじめに
こんにちは。長尾早苗です。
書く人の気まぐれラヂオも、リスナーさんのおかげでエピソード40となりました!
わたし自身、友人や知人の詩集を紹介したり詩人の紹介をしたり、詩の朗読のラジオがないかいつも探していたので、この番組でそれができてとてもうれしいです。
3月、今週も時代を彩った詩人たちを紹介していきます。
ラジカセがあった頃の世代です……。iPodが出始めたときに小学校を卒業しました。
つらかったり大変だった時にラジオを聞いて安心して寝落ちしていました。
聴覚を使いすぎて苦しい、感覚を使いすぎて苦しい……ってなったときが昔あって、
自然音にその時癒されていたので、イヤホンを外せる方は外して、ゆっくりできる環境でゆったり、ながらでリラックスして聞いてください~(夜あさ寒いよね……無理せずカフェイン摂りすぎず……)
リンクは以下です!
今回はすっごく長いので、無理しないでまずはリラックス・リスニング、
しゃっきりしたい時に本文をおすすめします。
◆中野重治
中野重治は常に、労働と賃金においての左翼主義を考えていたのかもしれません。それを詩に表すことはもちろん、社会で起こっていることと自分の生活がこよなく密接に結びついているという確信があるようにも詩を読んで思いました。プロレタリアートの芸術運動には、小説「蟹工船」でも有名な小林多喜二なども参加しました。個人個人の考え方で、中野重治のことがとても好き・きらいが分かれるようにも思います。
放送では「日々」を読んでいます。一番中野重治の生活に基づいている詩です。
◆大岡信
詩作を続けていくことで、この詩人の詩はうまくなったなと感じることがあります。それは自分の詩をきちんと発表し、読んでもらっているからに他ならないのではないでしょうか。いつまでも最新作の方がみずみずしく新しくうまい、という詩人はかなり稀なように思いますが、大岡信は書いていくうちに一層「この人の詩はうまい」「いいなあ」と思わせる詩が多くあります。
放送では「静物」を読んでいます。
◆室生犀星
室生犀星がいっしんに求めていたものは、そして描きたかったものは「無償の愛」のように思います。生活の中に自然に詩が溶け込んで、それはとても素敵な生活のように思えます。ただ、幼少期に彼が与えられなかった、ずっと欲していた「無償の愛」を誰かに与えるときに、彼も大人になっていったのだと思いました。
放送では「散歩」を読んでいます。
◆茨木のり子
茨木のり子さんは、わたしが生きてきた中で初めて出会った詩人です。
『詩のこころを読む』という本で、彼女の詩のセンス、そして幾年かが経って、彼女の詩を教科書で読んだとき。わたしはこんなにあでやかで、大人の色香さえ感じるほどの女性詩人を知らなかったように思います。
彼女は戦中に20代を経験しました。だからこそ、彼女自身も自分の「青春」を戦争に取られた、という思いがあったのでしょう。
晩年の彼女の詩は、穏やかでさらにみずみずしくなっていきます。
そんな彼女の女性として生きた人生と同じ詩人としての生き方を、同じくできることを誇りに思ったり、するのです。
放送では「わたしが一番きれいだったとき」を読んでいます。
◆吉本隆明
吉本隆明の詩は難解です。難しすぎて大学時代は歯がたちませんでした。詩を書く・詩を読むとは、能動的なことであるのか、そうでないのか。意識的なものであるのか、そうでないのかの狭間で、いつも詩人は苦しむようにも思います。自分の記憶や意識の中で、「書く」ことや「考えること」を模索し、それをある種の無意識の中で「書く」ことは思考が歩いていく、思考が深まるように歩行していくことのようにも思いました。
放送では「ぼくが罪を忘れないうちに」を朗読しています。
終わりに
どんな仕事にも楽なものはなく、それが仕事だからこそ大切なんだなあ
と思う春の日。
慌ただしくてそわそわして危なっかしいところもありつつ、自分の幼さを反省しつつ。
幼いころに救われたものにひとは一生を救われると思いました。
わたしにとってそれが美しい詩やラジオだったんです。
大きな大きな繁忙期をやっと抜けることができました。完璧じゃなくてもいいんだよと昔のわたしに言いたいです。
いやほんとに寒い(!!のにそれに気がつかなかったり……)
こころもからだも整えるため、あったかく過ごしてくださいね。
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