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加藤シゲアキ『オルタネート』を読んで

すっごーく、気になってた本です。読めてうれしい!!

直木賞の候補作にもなりましたね。

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」。配信が当たり前になってしまった今、配信の後遺症に悩んだり、マッチングアプリを信奉するあまり不幸になってしまったり、バンドを続けていくことを悩む高校生三人の「オルタネート」をめぐる物語。

今はスマホで、誰とでもつながることができます。そして、「キャラクター」として自分を偽ることも可能。でも、それだからこそ孤独を抱えてしまったり……

オルタネートより私がもっと怖いな、と思ったのは、行動などをすべて把握して遺伝子的な問題から相手を見つけ出すマッチングアプリです。

今、「つながる」というのはもしかしたら「忌避されるべきこと」のようにとらえられているのかもしれませんが、「つながる」の本当の意味を考えてみると、人と人は求め合って当たり前だと私は思うんです。でも、だからこそというか、それを本当に相手を知る前からアプリに求めてはいけないな、と思います。

今現在を生きている学生のみんなはSNSもアプリもオンラインも、なんでも使いこなす時代。でも、だからこそ気を付けてほしい、というのはお姉さんの古臭い考え方かもしれないですね。それでも、相手が偽りがあるのかをきちんと会ってから知る、というのは重要なことだと思います。

ただね~、今は人と人は「会えない」状況が続いているからこそ、みんな不安になるのかもしれません。私も、今を高校生として生きていたら絶対にオルタネートを使っていただろうし……。

だからこそというか、人と人が繋がろうとするときに、その媒体に「映え」を狙ってはいけないのかな、と思います。ただ、むなしくなってしまうだけだから。

インスタ映えする暮らしを送っている人なんて、本当はいないんです。みんなどっかで「絶対に見せたくない」という部分を持っています。本当は「丁寧な暮らし」をしていても、それを「フォロワーに嫌われるから」という理由で逆に公開しない人だっているし、加工しまくっているフェイクをネット上で見せている人もいるかもしれません。

人と人のつながりで一番安心できるのは、オフラインだと私はかたくなに信じています。それができる状況に、本当に早くなってほしいですね。

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