胸騒ぎのシチリア - A Bigger Splash

『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督作品、『胸騒ぎのシチリア』。原題は『A Bigger Splash』。『La Piscine』のリメイク版。
シチリアのプールでのサスペンス。

とにかくシチリアの綺麗な景色が堪能できる作品。
色彩が綺麗で、一緒にヴァカンスをしているかのように景色を楽しめた。現実逃避にも良い作品だと思う。気分だけでもシチリアを味わいたい時にまた観たい。

それにしても、シチリアでのヴァカンスは憧れる。青い空の下、プールサイドで本を読んで、クールダウンにプールに入り、水着のまま陽の光を浴びて身体を乾かし、適当にテラスをウロウロして…。
開放的な非日常。憧れる。

景色も美しかったが、主人公のティルダ・スウィントンも美しかった。特にフェスティバルでの白いワンピースの着こなしが印象的だった。あれをサラリと着こなすのは、さすがモデル。白塗りの壁の街並みに映えていた。

事件勃発後、開放的だったヴァカンスは一転し、天気も土砂降りに。
ちょっとしたことにビクビクしながら生きていくことになった二人。
二人にとって、シチリアは心地のいいものでは無くなってしまっただろう。
後ろめたいことがあると、相手が全く関係ないことを話そうとしていても動揺して通常とは違う態度を取ってしまったりする。
全てが隠したいことに関係しているように思えて、本人はかなりストレスを感じてしまうことになる。
端から見ると、自分で自分の首を絞めていると取れるが、本人は隠すことに必死で気が付かない。
悪いことは良くないよ、悪事を隠すことは後ろめたい思いに囚われ続けることになるという教訓。