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ネコねこミステリー第1話『ヒッチハイク』

野良猫「車に乗せてくれてありがとう。本当に助かるよ。」
エアコンの効いたパトカーを運転している人物に、そう言いながら見知らぬ野良猫は、重そうなリュックをおろして足元へ置く。

野良猫「俺はローレン。まさかパトカーをヒッチハイクしたからって逮捕されたりしないよね?」

運転する人物「そこまで暇じゃないんでな。」

レゴの言葉を聞いて安心しているそぶりを見せる野良猫。

ローレン「よかったよ。ところで貴方の名前は?」

運転する人物「レゴだ。保安官をしている。」

ローレン「そうかレゴ。よろしくな。」

やたら馴れ馴れしく話してくるローレンに若干の嫌悪感を感じつつ相槌をうつレゴ。

ローレン「あ、そうだ。今日は暑いしアイスを持ってきているんだ。」

リュックから二つに割れるタイプのソーダ味のアイスをとりだしてパキッっと二つに割ってレゴに渡そうとする。

ローレン「よかったらレゴさんもいかが?」

レゴ「いや、結構だ。ありがとう。」

ローレンはせっかく二つ割ったアイスを美味しそうに頬張る。

ローレン「誰かを追跡しているんですか?」

レゴ「今さっき、ネコねこ銀行が四人組の強盗に襲撃されたんだ。そのまま白のセダン車で逃走中だ。」

ローレン「え!?ほんの数分前に同じ車が通り過ぎていくのを見ましたよ!しかも4人組の男が乗っていました。1時間近くヒッチハイクしていて、やっと車が通ったかと思ったら、轢かれそうになりましたよ!全員黒のT-シャツに1人が腕に刺青をしていて…。」

状況を的確に伝えていくローレンは続けてこういった。

ローレン「でもレゴさん、途中の別れ道で車は左に向かってたよ。いまからUターンすれば間に合うんじゃないかな。」

それを聞いたレゴは、ローレンの言う通りに急いでUターンをしてアクセルを踏んで車を進める。

レゴ「今日は暑いよな。気温は35℃近くあるんだってよ。」

不意に気温の話をするレゴに特に気にする事なく頷くローレン。

ローレン「そうでしょうね。熱中症の患者が増えて病院も大変でしょうしね。」

車を進めるレゴ。

ローレン「あれ?レゴさん、別れ道を通り過ぎちゃったよ?どこいくの?」

その問いに対してレゴは答えた。

レゴ「警察署に決まっている。」

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