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極東から極西に行くことにした12:カミーノ準備編・パッキング四苦八苦

前回の粗筋。
TGVの予約を取る方法や、パリの荷物預かり所の紹介。スーツケースを買った。



・物品集めとザックあれこれ



 ずっと足踏みしていたのだが、とうとう荷物を揃える決心をした。残りは救急セットと水物関係。直前でも全然事足りるのだが、重さを測る必要があるので、そろそろ用意しておきたい。荷物は体重の1/10程度が推奨されるとのことなので、大体5.5から6kgくらいに抑える必要がある。


シャンプーはリンスインシャンプーを注文。洗体用の石鹸は固形のものを使用予定。


 ざっくり揃えて一回ザックに詰めてみることに。ザックはグレゴリーのジェイド33。雨蓋のあるタイプなので35ℓくらいは入りそう。

 ここで登山用ザックについて説明したい。普通のザックと違って、楽に荷物を運べるような構造になっている。 
 登山用ザックを選ぶ時、背面長というものを測る。第七頚椎(お辞儀をした時に首に触ると一番出ている骨)から、腸骨陵(腰骨の一番高いところ)までの長さのことで、これに合ったザックが背負いやすいとされる。
 

何も入っていないザック。くたくた。

 この背面長は人によって違う(足の長さ胴の長さは人それぞれ。身長では大体でしか選べない)ので、ザック選びはお店でやってもらうと良い。
 できれば、ヒップベルトがしっかりしているものの方が歩いていて楽。腰や仙骨に荷重がかかるようにしないと肩が辛くなるし、ザックが左右に振られると疲労が増す。
 
 
 諸説あるけれど、背負う時は全てのベルトを緩めてだるっだるにして


1.ヒップベルトを締める。
 腰骨を覆う感じで、この時ザック下部が仙骨の上に乗っていると良い。


ヒップベルト。ザックの重さの大半がここにかかるようになっているので、しっかりしているものが楽。腰骨の上部を巻くように装着する。


2.ショルダーベルトを締める。
 ザックを引き寄せるようなイメージで。

ショルダーベルト。ザックの背面を背中に引き寄せる役割。背面が離れてしまうと肩に負荷がかかって痛い。


3.ロードリフターストラップを締める。
 ザックを左右に揺らさない為のストラップ。軽く締める程度で良い。


肩の少し上くらいにある。無いザックもある。


4.チェストストラップを締める
 ショルダーベルトの固定。上下に動かせるので、鎖骨から三横指下辺りにして付けると良い。

最後にカチッとな。


 あとはベルトを微調整して終わり。
 人によって肩を先に合わせてから腰を締めるパターンもある。



・荷物が多い!


 私が危惧しているのは、実はザックの大きさ。生活の全てを背負って行く割に、カミーノ推奨のザックは、30から40ℓの小ささなのだ。
 これは、登山なら日帰りか山小屋一泊程度の荷物しか入らない大きさで、キャンプならハンモック使用の軽量スタイルでないと、どうにもならない容量だ。小さすぎやしないか……?

 他の方のnoteや書籍で1gでも軽い方が良いと書いてあったので、力のある男性ならともかくとして、ザックを大きくするのは愚策なのだろう。だってそれだけ重く大変になってしまう。
 にしても、荷物、入るのか?



ザックが小さく見える。本当に入るのか……?

  詳しい荷物の内訳は、直前に取捨選択ができてからするとして、今回はざっくり集めた物品をザックに詰めて行くことにする。 
 入れ始めてすぐに服が嵩張る事に気がついた。このままではザックの大半を服が埋めてしまう。圧縮袋を買った方が良い。巡礼後半で必要かと考えているヒートテックも一枚だけにしよう。ウルトラライトダウンがあるし、なんとかなる。部屋着は次の日に着る短パンとTシャツで良いだろう。

 着替えと、濡れたら困るもの一式は、SEATOSUMMITの防水袋にガバッといれてしまう予定でいる。これも空気が抜ける、圧縮袋の一種なのでもう少し嵩を減らせるかもしれない。


 充電器などはジプロックに入れて、バス用品は無印の壁掛けできるケースに全部突っ込んで整理。33ℓ以外と入る。

なんとかパッキングできた。ザックは荷物がある程度詰まっていた方が背負いやすいのだけれど……。


軽量太陽光パネル。もう少しちゃんとくっつけられるようにしたいところ。ソフトシャクル(紐カラビナ)ではなく、
普通のカラビナにしようか。


 ザックに物品は案外すんなり収まったのだけれど、問題は重さだ。恐る恐る体重計に乗るとしっかりオーバーしていた。
 これはダメだ。

残念な結果になった。物品をもう少し考える必要があるらしい。やっぱり服が多すぎるのだろう。


 出発までの間にもう少し荷物を減らす努力をしなければならない。



・現地で服を買うという選択


「季節が変わっちゃうから、秋物持ってくか悩んでるんだよね」
「あー、でもスペインにも服屋さんありますよ。ほら、ZARAとか、大丈夫ですよ」

 そんな話をかねてよりSさんとしていた。
 確かに無いものは現地で買えばいい。だからあまり気負わず最低限のものを持っていけばいい筈だ。
……そう思って気楽に構えていたのだが……。

 
 この間、お盆休みで真ん中の妹一家がやってきた。

「巡礼、歩きたくは無いけど興味あるよ」

 巡礼関係の本をパラパラめくりながら、妹がそんなことを言う。

「興味はあるんだ」
「まあね。服はどうするの?」
「毎回洗うの。問題は秋服なんだけど、外国の方が案外サイズあるかもだから、買い足せばいいよね。そこんとこは心配ないよねぇ」

 ブルゴス辺りか、もう少し先の街で長袖なんか買えば良いのだ。日本だと長袖は大体袖が足りない。でも海外ならきっと大丈夫のはず。あったか長袖が買えるはず。セーター一つ買うのに何軒もハシゴしないと見つからない日本とは違うはず。
 ところが私の言葉を聞いた妹が、笑いながら否定してくる。

「北欧ならねぇ、みんな身長高いだろうけど、フランスとかスペインだとさ、きっと日本とそう変わらないよね。我々向こうでも、どちらかと言うと背高い方だから」
「えっ」
「外国の人みんな背が高いわけじゃないし、というか、外国って括り広すぎるから」

 言うて私達姉妹は170㎝前半だ。
 大きいとはいっても、日本でももう珍しくはない高さだし(なのに袖が足らないのは解せないが)外国、というかヨーロッパなら更に目立たなくなる予定だったのだが。

「えー…….そっかあ。知らない土地で店ハシゴは嫌だなあ」
「ドンマイ」
「面倒だなあ……」

 なんで服は進化を遂げたんだろう。
 貫頭衣(弥生時代頃の布に穴開けただけの服)から発展しなければ良かったのに。そうすれば、現在服を買うという煩わしさは無かっただろうに。袖がないから長さが足りない心配をする必要もないし。


 パッキングの難関は液体ものかと思ったのだけれど、案外服なのかもしれない。
 どちらにせよまだまだ改良の余地ありだ。



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