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寺社雑談『猫神社・守護天神(上宮天満宮)』

猫が好きです。私は自分が猫好きであることに感謝しています。私は実社会において紛うことなきダメ人間ですが、猫が好きという一点のみをもって、生まれてきてよかったと思えるのです。
いつも不足不自由を感じて満たされずいる私のような凡人に比べ、猫は無一文無一物なのに自由です。卑屈さのかけらもなく、むしろ偉そうです。その存在はもう、神秘の具現と言わざるを得ません。驚嘆です。この気持ちは同じ猫好きの方ならきゃっと、いや、きっと理解してくれるでしょう。

上宮じょうぐう天満宮は大阪府高槻市にある、歴史ある天神さんです。御祭神のほか7つの末社と猫神社こと守護天神が祀られています。

猫神社のお社には、小泉武寛氏の作による『家族』と題された猫の像が鎮座しています。
可愛らしくもあり有り難くもあります。

かつて境内に住みついた猫との縁があったことから、猫のみならずあらゆる動物の霊を祀ることになったそうです。神社、神道の由来を辿るとき、どこかで国家観に関わる思想を語る向きもありますが、本来の信仰とはアニミズムであり自然・超自然の魂を畏怖するところから始まるものです。超然とした猫に神々しさを感じるのは、人として当然です。これも同じ猫好きの方ならきゃっと、いや、きっと同意してくれるでしょう。ほんまにすんません。

毎年2月25日と翌26日には天神まつりが盛大に催され、多くの人で賑わいます。
ねこ神籤です。中にお神籤が入っています。
猫宮司のモモさんがモデルだそうです。名刺をいただきました。

猫神社には以前、猫の宮司さんがいらっしゃいました。授与所の方に伺ったところ、しばらく前に俗世から旅立たれたということです。もしかしたら近くまで来てくださっているのに、位の高い存在になっているゆえ、私の如き俗人には見ることができないだけかもしれません。自身の未熟さを反省するばかりです。
20年間一緒に過ごしてくれた私の妹分も、数年前に旅立ちました。わがまま気ままを通し、美しい毛艶を保ち、そして最後にはこの世で最も尊い時間を与えてくれました。弱すぎる私の、生涯の支えです。おかげでこれからも私は間違えずに生きてゆけると思います。感謝しかありません。今でも月に一度は墓参りに行き、一緒にグリコのプッチンプリン(それでなければダメなのです)を食べています。
街の中で色々な猫に出会うたび、未熟者の私は猫にありがとうと言い続けます。すべての猫が、すこやかでありますように。そして、やすらかでありますように。

ありがとう。にゃー。


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