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湖池屋びいき

私、湖池屋びいきです。
ポテトチップスを買うときは、まず湖池屋から見ます。
財布の都合や季節限定のものに惹かれたときは、やむを得ず他の会社を選ぶときもありますが、基本的には湖池屋です。

最近では岩塩のやつとかブラックペッパーのやつとか、最高です。
湖池屋さん、さすが!カラムーチョは永遠です。

なぜ、湖池屋びいきになったのか。

私が小学生のとき、近所に湖池屋の工場がありました。
たぶん6年生のときだったと思うのですが、
夏の自由研究で湖池屋工場見学を思いついたのです。
友だち数人と電話をかけ、ドキドキしながら予約をとり、
ワクワクしながら、いざ湖池屋へ!

小学生からすると「工場」だの「会社」だのは、大人の象徴。
もう、大人です。大人の世界です。未知の魅惑です。

そんな小学生男子を温かく迎えいれ、優しく声をかけてくれた湖池屋。
応接間に通されてお話をしてくれて。質問を受けてくれた眼鏡の方。
さて、それでは行きますか?と工場内へ。

そこでは当時のスーパーな技術でメカでロボな感じでポテトチップスが作られていっています!
「感動」を人生で初めて知った日かもしれません。
「確かに未来が 昔にはあった」と the ピーズも唄っています。
もう、そこは未来でした。のちに知る手塚治虫の世界のようです。

見学を終えた帰り際。
「こんど発売される新商品ですよ」
と渡された1袋の重みたるや!

ふわふわと、静かな興奮をたたえながら無言で帰る少年たち。
おうちについて家族に伝え、寝る間際に再び押し寄せる「感動」。
その日からです。

私、湖池屋びいきです。湖池屋フォーエバー。

そうだ。近所に「都こんぶ」の工場もありました。
中学校の通学路にあって、毎日、あの匂いがしていました。
いま、その工場も、たしか「都こんぶ」も、もうないらしいですね。

湖池屋はまだあるのかしら。
地元を離れて早20年。
こんど行ったときには、元実家の周辺を探索しようと思うのでした。

音瑚ひらり


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