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タイトルの力ってすごい。

「竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー」
京都市京セラ美術館の展覧会に行ってきました。

江戸末期に生まれ、明治~昭和期の近代日本画界に旋風を巻き起こした京都画壇の立役者。

それまで師匠の様式をそっくり受け継ぐスタイルだった日本画界に、画家自身の目で見たものを描く「写生」という新風を吹き込み、西洋の技術も積極的に取り入れた人です。

今では当たり前の描き方も、当時にしてみれば革新的。
絵に限ったことではないけれど、
今では伝統的と言われるものも、生まれたときは当然、新しかったはずで。
革新の連続なんだなぁ、と。しみじみ思う。


さて。
今回の展示でいちばん印象に残ったのが、蛙が3匹描かれた絵でした。

背景はなく、穏やかな表情で蛙たちが座っているだけ。


美術館では、壁に沿って作品が並ぶのを順に見ていきますよね?

犬の絵→「狗子」
カタツムリの絵→「蝸牛図」

そして、蛙が3匹描かれた絵。

「蛙」とか「蛙図」とか思いますでしょう?



「歌仲間」

これ見た瞬間、絵に命が吹き込まれて、蛙が歌いだしました。



「おう、お前さん今日は何歌うよ」
「独唱なんてのも気持ち良いもんだが、せっかく3匹集まったんだ、今日はひとつ合唱でもしないかね」
「それはいい。歌は、そうだな、上野の蛙どもがこの前歌ってた「桜流し」なんてどうよ」
「お、良いねぇ。哲学の道に住まう我々にとってもぴったりじゃあないか。」
「決まりだね。じゃあいくよ。」
「「「はる~の~ あめにうたれて~ さくらちる~」」」



なんて、妄想がとまらなくなったりして。


タイトルって大事だなーって思います。
見た人の感性で楽しむのもひとつですが、
世界を一気に広げてくれるタイトルがあると、ぐっときますよね。

タイトルつけるの、とっても苦手で。
ついそのままのタイトルをつけてしまうから。今回の記事もですけど。
こういう、読んだ人が想像を膨らませられるタイトルがつけられるようになりたいものです。


ではまた~


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