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ゲーム音楽に漂うインタラクティブメロディー

ゲームの支えとして"ゲーム音楽"は
欠かせない存在です。
悲しいシーンでのみ流れる切ないBGM、
レベルアップ時の短いものから
ボス戦での鬼気迫るものまで実にさまざま。

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ぼくは90年代RPG世代ですので、J-RPGと呼ばれるジャンルのBGMには慣れ親しんできました。
ファイナルファンタジーV•VI、クロノ・トリガー・ドラゴンクエストV、ロマンシング・サガ3・聖剣伝説2•••まぁRPG=スクウェア(現・スクウェア・エニックス)というか時代でしたから、お世話になったゲーム音楽はだいたいスクウェアでした。ほかにも遊びましたが覚えておりません。

遊んだゲームを列挙するだけでも相当な数になるゲーム音楽ですが、"印象に残る"ゲーム音楽と"聞き流してしまう"ゲーム音楽があります。その差はなんだろうと、新しいゲームを遊ぶたびに考えてしまう。記憶力の高い子供の頃だから覚えているのか、それだけ没頭できて何度も同じメロディーを聴いていたからなのか。

思い出補正もあるのでしょうが、イントロを聴くだけで当時のゲームのあのシーンこのシーンが、フラッシュバックするほど強烈に染み付いている•••。大人になってから遊んだゲーム音楽は、なぜか覚えていない方が多いのか。
悲しいかなぼくもオジサン入りしています。

個人的な記憶力の話は置いといて、ゲームを遊ぶ時は何かしらの"感情"が動きますね。

エグい攻撃してきまはりますなぁとか
信用していたのに裏切られた〜!!とか。

こう言う時にしれっと効いているのが
ゲーム音楽のチカラ。花火の点火タイミングのようにプレイヤーの心情に合わせ、「ここだ!」と言わんばかりに盛り上げてくる。


大人になると、ましてやさまざまゲームを体験してきて改めてゲームを遊ぶ時、ゲームの"セオリー"のようなものに対して"分析的"になります。
あらかた予想してしまう。あるいは"あるある"として片付けてしまいます。この時点で"感情"とは少しかけ離れた"体験"です。

レトロゲームは同じBGMが絶えず流れるので、覚えていても不思議ではないのですが、同じBGMなのに、ひとつひとつのシーンにおいて印象が変わりますね。(これはドットキャラクターが同じモーションなのにイベントや会話の流れで受けとる心象が変わる事も同じと言える。)

巧妙なのが「逆転裁判シリーズ」や「ゴーストトリック」ですね。(巧さんだけに)この2つはテキストもすばらしい。けれどBGMの流れるタイミングはもっとニクイ。ゲームを遊び倒すものとして、このふたつはとくに遊んだ中で音楽とテキストが、プレイヤー心理の合わせ技が鋭い。キャラクターは同じモーションを使っていてもストーリーの進行具合で受け取り方も変わる。一度でも遊ばれることをおススメします。

話をゲーム音楽に戻しますと、あらかたのプレイヤーさんが同じであるようにイベントシーンに流れるBGMだけを覚えている訳ではないですよね。


たとえば、フィールドモンスターとのエンカウントで通常バトルが始まったとします。

コマンド選択時のおおかたの選択時間に合わせるかのようにイントロが流れ、バトルシーンが始まると一気に盛り上がり疾走感溢れるメロディーに変わります。そのまま1ターン目が終わり、2回目のイントロが流れる時、明らかに戦況が変わっているので同じBGMでも"聴こえ方"が変わっているように感じます。コマンド選択のスピードやバトルの慣れ具合など"人による差"がありますね。

差が生まれるのは戦況だけとも限りません。プレイヤーさんひとりひとりの力量やゲームに触れてきた経験値、キャラクターのレベルやステータス、パーティや装備の具合だけでも"ちがい"が生まれます。

ぼくは初めて遊んだRPGが「ドラゴンクエストⅢーそして伝説へー」でした。説明書はあとで読む派だったので、よくわからないまま外を出歩いていたら水色のぷにぷにとガイコツに乗ったカラスに出会いました。スライムとおおがらす2匹。

たたかたくないから逃げます。レーベの町がすぐそこだったかです。が。逃してくれません。なぜかわからないけれど、叩かれます。そしてよくわからないまま"死んで"しまいました。
画面が変わり、おうさまのところに戻され、
怒られます。(笑)諦めずもう一度レーベの町に向かうと死んでしまいます。

なのであのBGMが流れる、と言うことは"死んでしまう"とイコールでした。ぼくにとっては勇敢ななものでも、カッコいいものでもなく、
"死んでしまうBGM"だったのです。

如何にしてモンスターと戦わないで済むのか画策して「せいすい」をふりかけても襲ってくるし、ゆっくり歩いても襲われるしで、BGMさえ流さなければ襲われないのだろうとボリュームを下げたりもしました。んなことないけどね!

とにかく恐怖のBGMだったのです。

人によってはあのBGMはうっとうしいものかもしれませんし、勇気を試される応援歌だったものだったりもします。

つまり"ゲーム音楽"はプレイヤーの遊びかた、強いてはプレイヤーが辿ってきた「物語」で左右される。年齢や経験値によって大きく変化する生き物と同じ。体験と物語は絶えず行われ常に生成され、編集される。

想いや経験が集約されたものが心に残るのだと思います。ゲームは遊び手がいて成り立つ"インタラクティブ"な遊びもの。ゲーム音楽も同じです。経験やらなにやらを組み合わせて出来上がる音楽。インタラクティブなゲームサウンドでは「ゼルダの伝説  時のオカリナ」が秀逸。ダンジョンをクリアするたびに、メロディーが少しずつ変化しますね。些細なちがいですがぜひ聴いてみて。

面白いなぁと感じているのはこれがズレているゲームBGMもある、ということ。イマイチ盛り上がらなかったり、逆に盛大すぎて興醒めしてしまうこともある。いかに人間が"音"に繊細であるかが実感できますね。この場合"聴き流しているな"と感じます。

レベルだって少しずつ上がらなくなりますし、
ボスだって強くなりますし、後半戦になればなるほど悲しいシナリオに出会います。そのタイミングは遊びかたとプレイヤーが遊び、自らが語り部となれるゲームならではの"たのしみ"ではなかろうかと。

その時にこのBGMが流れたのか、どうしてこういうゲーム音楽になったのか作曲家さんはどう言う想いでこの曲を作ったのか、今自分はどういう物語を描いているのか、"メロディーからゲーム体験を探ってみる"と言うのも面白いですよ。

コケでした〜。

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