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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)43・「自然」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「自然」。高知の魅力はなんといってもこの豊かな自然にあります。深林面積の割合は日本一の84%!アウトドア天国なのです。

 私たち家族もアウトドアは好きで、たびたびキャンプに行きます。そんな自然のお話です。

 実は昨日までキャンプをしていた。この私、こう見えて自然の中が大好きである。

 子どもの頃はインディ・ジョーンズに影響され、大人になったら探検家になると豪語していた。ジャングルの奥深く、未知の部族が住まう土地。そこに眠る、伝説の宝を求めてー。

 探検家になるには探偵の素養も必要だと思い込み、怪しげな人を見つけては尾行した。

 さらに忍者修行も必須だと考え、腰から布切れを垂らして近所一帯を駆け回ったり、お湯の上で洗面器に乗ってみたりした。…側から見たら完全に頭のおかしい子どもである。

 それはともかく、自然の中で遊びまわるのは何よりも楽しい。幸い私は高知に生まれ育った。なんという幸運!どこもかしこも遊び放題ではないか♪

 少し行けば海・山・川…豊かな大自然が広がっている。適当な場所にクルマで乗り付け、無造作にイスを構える。

 持ってきたコーヒーで風景を見ながら一服、辺りは鳥のさえずりに川のせせらぎ、風の音。空はどこまでも青く、突き抜けるような高さだ。しかも居るのは私たちだけという、この贅沢!

 一度高知の自然に慣れてしまうと、なかなか他所の風景には満足できない。だって、こんな透明度の高い川で泳げるがで⁉︎海なんて、水平線ひとりじめやし!

 コレ、県外に行ったら必ず人混み&渋滞必至。東京の高◯山とか、恐ろし過ぎてよう行かん。都会の人はわざわざ混んだ電車とかバスを乗り継いで、さらに混んだ山やら海やらに行くんだろうか。

 そんな所の自然を見て、人々は何を思い何を感じるのだろう。ウェアやギアのブランド自慢とマウント大会で終わりそうな気がするんだが(超偏見)。

 地方創生なんて言われて久しい。ただ、地域の活性化のために都会のやり方を持ってくるのは、なんか違うと思う。

 里山には里山なりの、漁師町には漁師町なりの暮らし方があるのだから。色んな場所を巡って来て思うのは、風土をないがしろにしてはならないということ。この感覚分かる人、いますかね?

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