夾竹桃の毒は君には効かない

・全部偽物だったな あの遊園地で見た観覧車での光景は いつの日か見た幻を投影しただけのハリボテの桃源郷

・そよやかな風が吹く崖の上を私の最期に選んだのは、君にこの景色を見せたかったから

・静謐で真っ白な塔を見上げてみる。すべてを飲み込むようにそこに佇むそれが放つ不気味な香りに浸る時間が好きだった 迎えは来ないの

・君は全てが許せなかったから、全てを許して、私を置いていったんだね

・どこにもいけない私は、君が放つ音だけを聞いて君の信じる神を知る

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自由律俳句

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