セルアウト禅問答

セルアウト禅問答

最近の記事

お屋敷に火をつけてしまいました

・すみっこぐらしというサンリオキャラクターの中に「とかげ」という子がいる。青色で目がとろんとしている子だ。 その「とかげ」は、実はとかげではなく恐竜の生き残りなのだが、その事がバレると、仲良くしてくれてる皆もその事実を黙認していた罪で捕まってしまうのではないかと怯え、自分はとかげであると嘘を吐いている何とも愛らしいキャラクターだ。 私はキャラクターのぬいぐるみを集めて愛でるのが好きなのだが、そのキャラクター1人1人の背景を深く調べることをしてこなかった。 しかし、「ちいかわ」

    • 私をつくってくれた人

      この間、アイドルをやってる高校生のときの一個上の先輩の生誕祭ライブに行きました。その先輩は高校を卒業したくらいからずっとアイドルをやっていて、でもちゃんとステージを見に行ったのはこの間が初めてだったんです。 私、その先輩のこと大好きで、尊敬してて憧れなんです。だからもう高校生でも何でもないのに先輩とか呼んじゃうし、一緒に話してるときも敬語が抜けなくて。 そんな先輩が、一番表現したいことをステージの上で表現している様に圧倒されて、やっぱり憧れだなあとひとり、物思いに耽りながら家

      • 水銀の海に浸る

        ・微かに鼻腔をくすぐる花の芳香は、私自らをそこに突き落とすのには十分すぎる要因であった ・秋風に安堵を覚えるのは、君が突き刺す殺意から逃げる術を見つけられなかったから ・死者の匂いを色濃く残すこの街には、葬列のように佇みながら何かを見つめる数多の眼だけがそこにあった ・薄くて柔らかな膜の中から核を見つけた その感触が忘れられなくて、今日もまたそれを殺そうと試みる 試みる、だけ ・僕の神様はカラオケボックスの中にいた 今はもういない神様 救いの言葉は吸い込まれて、誰にも

        • 夾竹桃の毒は君には効かない

          ・全部偽物だったな あの遊園地で見た観覧車での光景は いつの日か見た幻を投影しただけのハリボテの桃源郷 ・そよやかな風が吹く崖の上を私の最期に選んだのは、君にこの景色を見せたかったから ・静謐で真っ白な塔を見上げてみる。すべてを飲み込むようにそこに佇むそれが放つ不気味な香りに浸る時間が好きだった 迎えは来ないの ・君は全てが許せなかったから、全てを許して、私を置いていったんだね ・どこにもいけない私は、君が放つ音だけを聞いて君の信じる神を知る

        お屋敷に火をつけてしまいました

          静謐

          ・君の暖かな眼差しの安寧の膜の中で、私は生殺しにされる ・何も拒まない君を僕は見ていた 君はどこにいるの ・君の喫んだ煙が私を貫いて私の視界を閉ざしていく 不条理な昨日がまた始まる ・安らぎが生まれるこの場所で、私は夏に殺される ・告解室にて、君を想う 向き合うべきものは罪ではないのに

          ・川べりに座って、私が向き合う盲目な安らぎに、私は死の柔らかさを感じている ・冬の日の晦、君を連れ去らないで 君は冬を生きていたの ・橙色の煙の中で私が静かに確実に腐敗していくその様を、貴方は笑っていつまでも見ていてよ ・私は醜いままでいたいのだ 醜さに甘えながら君の思想に傾倒する時間の為に生きていた ・君の血肉がそこにこびりついた光景を貼り付けた網膜を持ち合わせていながらも私は、君の事が思い出せなくて、上っ面な日常の隅に取り残されている

          チョコチップパンたべるー?

          この前、遺書の練習④と題して自分の死に場所と死に方を考えるnoteを投稿したら、規約違反でその記事が消されてしまった。 今までも死とか生とかについて色んな事書いてきたから、何でもオッケーなのかと思ったらそうでもないらしい(それは、そう) 他人に自殺を示唆するような内容に見えたのかしら。そんなつもりはなかったんだけどな。 でもこれからも自由に書きたいこと書いて、消されたらあーあって思うことにしよう! 皆は日々死についてどのくらい考えるんだろう。 死について割と明確に考えを

          チョコチップパンたべるー?

          遺書の練習③

          最近の私はやっぱり死にたい、かも。 私は最近意外と元気にやれていて、毎日何だかんだ楽し〜と思いながら生活していたりする。 でもそれは病院で貰った薬に今まで欠けていた諸々の能力を底上げしてもらってるような感覚で、私自身の内面の問題は何も解決してない。 人と会う機会も増えたし、色んな場所に出かける機会も増えて、インプットされていく情報が増えた分、価値観というものは変わったような気がする。物事の見方というか。 ただ、その入ってくる情報量に見合う成長を出来てなくて、ずっと自分

          文通したい

          私は文章を書くことが好きだ。 読みやすい文章でもないし、誰かに響く文章が書けるわけではないけど、とにかく書くことが楽しいから好きだ。 そして私は人と話すことが苦手だ。 というか、会話って難易度高すぎじゃない? 相手からの言葉を受けて、ほんの1秒くらいでそれに適した返答をするの、難問すぎる。これを苦に思わない人、本当にすごい。 私も決して人と話すのが嫌いなわけじゃないし、むしろ好きではあるけれど、自分がうまく話せないから苦手だ。 こういう返答をしたい!というのが脳内で先行し

          遺書の練習②

          私が死にたいと思う理由は全然マイナスなことじゃない。嘘。嘘かも、全然マイナスかもな。 なんで死にたいかっていうと、今までのことから、この先のことを考えて悲観的になっているからだ。 自分には生きてる価値がないと思う。これは、本当に。ここでいう生きてる価値は、私に与えてもらったもの(お金や、物や、優しさや愛など全部)と私が返せるもの、生みだせるものの割合が、明らかに後者の方が少ない、という意味を指す。私が生きていてプラスになることよりもマイナスになることのほうが多いということだ

          遺書の練習①

          自殺するときにまず必要になるものって何でしょう?そう!遺書ですね 私は遺書とか書かないでそのままスッといなくなるのでもいいかなあと思ってたんですが、仲の良い人たちがあらぬ疑いをかけられたり(いじめとか)や長い長い取り調べに巻き込まれたりするのは嫌なので、自分の意志で死んだんだよ〜ということを示すためにも遺書は残すべきだなあと思いました。 でも遺書って何を書いたらいいんでしょう?携帯のパスワードとか?銀行口座の暗証番号とか?私の残高なんて残された家族にとって何の生活の足しに

          『生を祝う』について

          李琴峰さんの小説、『生を祝う』を読んだ。 胎児の同意を得なければ出産できないという制度が当たり前に根付いているといった設定の世界を描いた作品だ。 私は日頃から生と死、主に生について深く考えることが多いため、絶対に読みたいと思い手に取った本だった。 「合意出生制度」という胎児に出生の意思を問う制度についても正当性を持って描かれ、こういう未来が訪れてもおかしくないと読者は納得しながら読める作りになっていた。 本作では、佳織と彩華という二人の同性愛者による夫婦の視点で話が進められ

          『生を祝う』について