スイス、チューリッヒで留学生活。いくらかかる?
こんにちは。筆者はスイスのチューリッヒで博士課程の3年目の学生です。留学の際、心配事の一つはお金ではないかと思います。特にスイス、殊にチューリッヒは物価が高いことで有名な場所ですから、短期留学や、学部、修士課程での留学など現地の大学から給与が出ないやり方での留学では金銭面が不安になるのはもっともです。今回は、筆者の実際の家計簿から、実際にどれくらいチューリッヒ暮らしにはお金がかかるのか、を見てみようと思います。
ただし、これはあくまで個人的な例であり、人によって異なることを先にお断りしておきます。
*1 CHFは145円として計算しています。
<固定費>
家賃:850 CHF/月*光熱費、インターネット混み
保険:66 CHF/月
通信料:34.95 CHF/月
定期代:1150 CHF/年 = 96 CHF/月
合計 1047 CHF/月
まずは家から。家は3人でのシェアフラットであり、キッチンリビング共用です。シェアフラットの相場は大体650-900 CHFくらい、一人暮らしの相場は1000 CHF-1400 CHFくらいかなと感じています。光熱費、インターネット代は別請求のところも多いので、あらかじめ確認しておきましょう。大学の寮は安いですが、倍率が高いため入れない可能性もあるようです。
保険はSWISSCAREという安い保険で、破格の代わりに免責額に達するまでは100%負担です。筆者は一度吐き気が止まらず病院に行き250 CHF(36000 円くらい)取られました。それでも、博士課程の学生は大学の給与から天引きで別に事故保険に加入しているため、スポーツや実験での事故等では全額免責になることから、より良い高い保険に入る必要性はあまり感じていません。
SIMはSaltという会社のものを使っています。パッケージはスイス国内使い放題、ヨーロッパ4GBまで利用可能です。しばしばセールをしているのでそのときに入ると半額近くになったりします。旅行にあまり行かず国内のみの利用でいいなら格安SIMでもっと安くできるでしょう。
定期はゾーンによるのですが、大学のキャンパスもあるチューリッヒの中心部、110番の中であれば定期代は年782 CHFのようです。しかし、筆者のフラットはこのゾーンから出てしまっているため、定期代が高くなっています。なので、実質家賃が月30 CHFほど高くなっている計算です。
これらを合計すると、固定費は月に1047 CHFかかっていることになります。1 CHF = 145 円とすると、15万円くらいになります。家賃が高いのでやはり高いなと思うかもしれませんが、逆に保険や携帯代、定期代は意外と日本と変わらないのではないかと思います。
<変動費>
食費、日用品:450 CHF/月
趣味:100 CHF/月
交際費:70 CHF/月
旅行費:月による
合計620 CHF/月
食費は日本よりかなりかかるものの一つです。現在筆者は朝晩を家で自炊、昼を食堂で食べていますが、食堂のメニューは学生料金で一番安くて6.5 CHF(950円くらい)、一番高くて12.9 CHF(1870円くらい)です。それでも昼ごはんを作るのは大変なので仕方ないかと思い食堂を利用しています。最初の頃コロナで週末出掛けられず、土日に平日分の昼ごはんも自炊していた頃は食費、日用品が300 CHF/月くらいで済んでいたので、朝昼晩自炊するならばそれくらいになるかなと思います。
趣味は、僕の場合はボルダリングのジム代などのスポーツ費、大学のドイツ語の授業代、それからたまに変わったちょっと高いビールやワインなどを買うと、月に大体これくらいになります。
交際費は主に外食かパーティになります。外食は一回すると大体70 CHFくらいはかかるので、月に一度以下しかしていない計算になります。それよりは安くすむホームパーティをすることの方が多いかもしれません。
旅行費は、国内のハイキングや、夏休みやイースターなどの長期旅行も含めています。もちろん2週間バカンスで飛び回れば2000 CHFくらいはかかりますし、週末に近場のフランスなどに電車で行くだけであれば400 CHFくらいでしょう。これについてはあまりにも一つの数字をあげづらかったので省略しました。
<まとめ>
これらを合計すると、1667 CHF/月(24.1万円/月)という数字になります。これだけあればチューリッヒで不自由なく生きていけるでしょう。しかし、この額は先述の通り旅行費を除いた額です。せっかくチューリッヒに留学に来るのであれば夏はハイキングに加えて海へバカンス、冬はスキーやオーロラを見に行きたいのではないかと思います。例えばイースターと夏に1週間ずつ海外へ旅行、さらにスイス内でハイキングやスキーを数回するとなると、年に3600 CHFほどは追加で見た方がいいでしょう(今年は特に燃料代の問題で航空券が高くなりました)。そうすると月に300 CHFほど上乗せし、1967 CHF/月(28.5万円/月)がスイス留学を楽しむのに必要な額になります。
ところで、スイスの博士課程は給与が出ます。例えばチューリッヒ工科大学では、分野によってランクがあり、筆者の化学分野は最も低い給与ですが、それでもこのスイス留学を楽しむだけの額をもらうことが可能です。スイスは治安も良く、自然も豊かで、そしてヨーロッパの各地にアクセスの良い立地で、そして英語がほとんどの場合で通じます。博士課程からの留学にはスイスを選択肢に入れてみるのはどうでしょうか。
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