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グループホームの風景~ホーム大喜利#8~

現在9名の入居者が住んでいる私の職場。
今日もそれぞれの時間が流れています。

昨日私は入浴介助担当。
ホームでは一日2~3名の入浴支援しています。今は個々一人で入れる方はほとんどいないので、ほぼすべての方が何らかの支援を受けています。

今回は入浴中の一コマです。

前回まではこちらより

PS:この記事はよしぱらクラブで2023年7月にUPしたものを再編していますのであしからず😁


【絶叫】の中の入浴それは…

最近何かと絶叫することが多くなったHさん
今は歩けないため車いす生活です。そして入浴もシャワーキャリー(入浴専用の車椅子のこと)を使用しています。
さて、服を脱いでいざ浴室へ!!
(日常生活常に大絶叫な方です😓)

よしぱら

よしぱら:「今日も元気ですねー!!(大絶叫を耳にして😭)」

叫び声が多いHさん

Hさん:「ぎゃあああああー--!!!」

よしぱら:「そんなに叫ばなくても大丈夫ですよー」
(何故にそんなに叫ぶ...)

Hさん:「ぎやああああー--!! 」
暫くして「(小声で)ごめんねー--!!」

よしぱら:「え!!」
突然の言葉にびっくりして
「大丈夫ですよ!!」と
素の受け答えをしているよしぱら
『叫びたい貴方の気持ち心に留めていますよ…』

シャワー浴中ずーっと叫び続けたHさん
私は狭い浴室で入浴介助。
(耳には耳栓して)
もうすっかり慣れましたが、今のご時世入浴介護中もマスク着用。
(これが本当に息苦しくてね...😵)

絶叫が響くこの場所は
ライブ会場? いや...
ホラー映画の劇場? いや...
ただの浴室です😵(Ω\ζ°)チーン



入浴前準備から入浴後ベッドに横になって着替え。
最後に濡れた髪の毛をドライヤーで乾かす合間も絶叫は止まらなかったのでした…😨

すべてが終わった後、叫び疲れからかやっと静かになり寝ました😴

その後ホームにはひと時の静寂が訪れます。

それにしても、本当に絶叫が止まらない!! 絶叫の様子はデスメタルやハードコア系のライブ会場と遜色なく、アーティストやオーディエンスがパフォーマンス中で全力で叫びまくるのは、せいぜい2時間が限度でしょう。
Hさんはそれらをはるかに凌駕する時間声量があり、そして本人が力尽きるまで続くパワーがあります。
 ”人の体ってまじで凄い”って🤔

解説

さて、改めて【叫び】の意味は何でしょうか?
これを考えると答えは、叫んでいる本人でないと分かりませんが、私の憶測ですと

①痛みによるもの
②嫌な気分・状況によるもの
③何か言いたいが、言えずに叫びとなっているもの
④反発 怒り 憎しみ 呪いなど負の感情が沸き上がっている状態のもの…

など様々な要因が考えられます。

Hさんはアルツハイマー型認知症。
入所から4年近く経過し当初は穏やかで冗談も言える方でしたが、ある時風邪をこじらせて病院へ緊急入院。
経過は良好だったので、一週間程で退院してホームに帰ってきましたが、その後状況が一変します。

入院生活で足の筋力が低下して歩けなくなり、移動は車いすになりました。
次の変化は、言葉数が激減し表情が険しく以前の様な笑顔は無くなり、次第に叫び始めたのでした…。

入居前お元気だった頃は、ボランティア活動を行い、町内婦人会の委員や地元住民と作った盆踊りの振り付けなど好きなことを楽しんでいた方でした。
入居当初のHさんに自身が携わった○○音頭を聴かせると、笑ったりおどけながら良く歌って踊っていました。

そんな光景は今は懐かしく、現状の姿を見ていると認知症は本当に残酷な病であると再確認するのです。


まとめ

今回は入浴介助の大喜利と言うよりは、Hさんの
絶叫】は何故かの考察でした。
最近のHさんの行動パターンは、二日間絶叫が昼夜続き3日目に静かになる(力を使い果たしてほぼ寝ている)様です。

他の入居者からすると、絶叫は本当にたまったものではないです。


Hさんの絶叫が始まると、程度によりますがHさんは自室で過ごします。
その間横になったり、好きな童謡などを聴いて落ち着くまで過ごしてもらうなどの時間が増えています。

【絶叫についてその原因は何か?】


<深掘り>
Hさんはお祭り好きで賑やかな方でした。そしていつも物静かで怒りなどの感情は出さなかった方なのかと思います。
実際ご家族に確認しても、怒っている場面は余り見た記憶が無いと話されています。

人はきっと誰しも決して人前で見せない心の奥底にしまい込んだ【感情・気持ち・思い】などがあります。
人生の晩年そして死の過程において、健常者は前述の感情を小出しにしたり違う形で出したり、もしくは人前で出さずに
【墓まで持っていく】のかと思います。

ただ、私はこれまで多くの認知症の方々と接していく中で、これらの負の感情がまるで【溢れ出て止めどなく続く】方々をこれまで多く見てきました。


Hさんと接してひょっとして
ずーっと心の中に押し殺してきた、叫びたい程の辛い経験や記憶があったのか?』
と思うのでした。

人生の黄昏期
認知症になったことで
そんな
【負の気持ち全て吐き出している】
のかと…。
ならば認知症は本人にとっては浄化なのでしょうかね🤔

~今回の教訓~
「怒りや悲しみなど負の感情は溜め込まず、吐き出しましょうね」

介護・福祉は本当に奥が深く、病名は同じものでもその方の性格、生活歴など複数の要因が絡み合った結果、誰一人として同じ方はいません。年を取れば何らかの持病は持つもの。それが認知症だっただけって人もいます。

さもすれば、重く暗く捉えがちな認知症ですが、視点を変えて【大喜利風】にすると、クスッと出来る瞬間はあります。
発想の転換でこの認知症ワールドを楽しみ、前向きに捉えて、身体介護はプロに任せて、家族にしか出来ない心のケアにお役に立てる情報を今後も発信していきます。

今回はここまで

最後まで読んで頂いてありがとうございます。
次の記事で会いましょう。






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