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【2000字小説】 魂の手紙

 居酒屋メシが美味い。長い間酒も飲めなかった僕は、海を見に行った帰りに初めて入る居酒屋で独り酒をした。ここもかなり変わった。再開発と後継者不足で通ってた店も少なくなった。風も匂いも変わってしまった気がする。それは僕が歳を重ねたからだろうか。
 砂浜は何も変わっていなかった。ご時世だろうか、水着を着た人が少ない。懐かしい光景はもうやってこないのか。輝かしい夏の思い出。若かったな。僕も。
 光を浴びた

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