見出し画像

甘く炒められた関係。

私は好き嫌いが多い。

以前記事でも書いたけれど、
昔の嫌な記憶によって、
未だにまだ抵抗があるものもある。

大人になるにつれて頑張って克服したものもあった。
あ、頑張ったわけじゃなくて
好みが変わったということもあるのかなぁ。

まぁでも昔より食べられる物が増えたことは
自分としてもすごく嬉しい。

けれど、今でも苦手なものの一つに「玉ねぎ」がある。
生の玉ねぎについては、
ぜっっっったいこの先も無理な気がするが
時間をかけてくたくたになるまで炒めればなんとか食べられるのだ。
けれどよくあるのは、そこまで小さくも切らず大きめサイズで
ちゃちゃっと炒める系の料理が多い気がする。
それに関してはノーサンキューでお願いしたい。

実は、私の母も玉ねぎが嫌いだ。
親子そろってどこ似たんですか、と思う(笑)
なので、母は私の気持ちがすごくよくわかっている。
玉ねぎ同志として(笑)
だから実家に帰るとその配慮がとっても素敵なのだ。

私はカレーライスが大好きだが、カレーにはもちろん
あの「玉ねぎ」が入っている。
玉ねぎが嫌いな私は昔、玉ねぎを使わないでカレーを作ってみた。
不味かった。笑えるくらいに。
理由はよくわからないけれど、玉ねぎがいい仕事をしている
ことについてはよくわかった。
それからは玉ねぎの重要性については理解している。
ただ、食べられないのも事実…

なので、母は私が帰省するとそこを踏まえて料理を作ってくれるのだ。
カレーライスなら、玉ねぎを細かく刻んで甘くなるまで
よーく炒めて炒めて大丈夫なように煮込んでくれるし、
ポテトグラタンの場合はそもそも玉ねぎを入れない。
コロッケなんかもわからないぐらいにしてくれる。
母ももちろん玉ねぎが嫌いだからではあるが、
私の好きな食べ物を毎日作り、苦手な玉ねぎに配慮して
とても美味しく作ってくれる。

他から見たら、
「そこまで甘えさせるなんて良くない」
と思われるだろう。
しかし、母の愛情がたっぷり詰まった料理を
私は思い切り美味しく食べたい。
嫌いな物苦手な物で、この気持ちを半減させたくない。

だから私たち親子は、
お互い思い切り甘え、甘えさせ、
美味しく料理を食べる。

美味しいね。美味しいね。
とってもにこにこして
とってもむしゃむしゃ食べる。

そうして私は、私優先のスペシャルメニューに満足し
楽しい食卓を終えるのだ。

ちなみに父は、
グラタンに玉ねぎが入ってないことについては
やはり物足りないらしい。
でも、玉ねぎが入っていないこのグラタンを
私たちらしいグラタンだと言って
父はいつも笑っている。
父よ、優しく見守ってくれてありがとう。

父には申し訳ないが、
私がいる間は私優先が何よりも勝ってしまうため
玉ねぎの存在は確実に消される。

今こうして思い返してみても
私たち親子の関係は
なんとまぁ甘くなるまで
炒められたものだ(笑)


ではまた。

最後まで読んでいただきありがとうございます🐨! いただいたサポートは創作の為に大切に使わせていただきます🍀