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フードバンクって何?~日本の活動状況~

このnoteのテーマ


こんにちは、NeighbourFoodのYukoです。 今回は、そもそも、フードバンクとは何か、 について、歴史的背景から日本での活動状況、期待される役割を含め、お話します。

フードバンクとは


"フードバンクとは、日本語で「食べ物の銀行」です" ってよく紹介されるのですが、 個人的に、食べ物の銀行って言われて、何なのか想像できません(笑) 食べ物を預けて、1年たったらちょっと増えてた!みたいな ポケットに入れたビスケットのようなことは起きませんよね?

おそらく、わかりやすい説明は

"フードバンクとは、緊急食料支援システムの一つ。個人や企業から寄付された食料をフードパントリーや福祉団体などに提供する仲介組織" 

かと思います。

つまり、食品を集めて、配る、という卸(おろし)の役割を担っている組織です。 集められた食料を配布する場所が、"フードパントリー"です。

但し、フードバンクと名乗っていても実際は卸の役割をしていないフードパントリーも存在しており、 一般的には食料支援として食品を(集めて)配る、という活動が"フードバンク"活動、と認識されているようです。

フードバンクの成り立ち


フードバンクという仕組みは、1980年代のアメリカで生まれたとされています(諸説あり)。 

景気後退に伴い工場がどんどん閉鎖されていく中、社会的危機の拡大を防ぐためにフードパントリー、スープキッチン(炊き出し)が設置されたことが起源だそうです。

アメリカでは、フードバンクという仕組みが広く認識されており、スーパーには食品を寄贈する人のためのボックスも用意され、購入した食品の一部を寄付することが出来ます。 地域の活動として、ボーイスカウトがボランティアとして各家庭から食品を集めて、フードパントリーに寄贈することも一般的なようです。

さて、そんなMade in USAの概念は、1人のアメリカ人男性によって、日本に輸入されました。

日本でのフードバンクの広がり


現在日本で1番大きな規模を持つ、セカンドハーベスト・ジャパンは、チャールズ・マクジルトン氏によって2000年代初期に創設されました。 また、別のアメリカ人男性によって、フードバンク関西が同時期に立ちあげられ、その後も続々とフードバンク団体が増えていきます。

 2005~2015年までに2団体から55団体へ、2019年には、100団体になるなど、特に近年増加の勢いを増しています

 団体への支援においても、初期は、コストコなど外資系企業からの食品寄贈や財務的支援が多かったものの、近年では、日本の食品企業による寄付も広がっているようです。

フードバンクで扱われる食品


取り扱い食品の多くを占める企業からの寄贈食品は、賞味期限がまだ残っており、まだ食べられるけれども、

・季節商品で、当該シーズンが過ぎてしまったもの
・外装に損傷があるもの
・在庫余剰で、廃棄せざるを得ないもの
・小売りへ納品するに必要な賞味期限が残っていないもの(緩和されつつありますが、メーカーは、賞味期間の3分の1以内で、小売りに納品し、その期間を過ぎると廃棄する、という商習慣があります)
・見た目に問題がある農作物  

などです。

フードバンクの食料配賦先


食品の配賦先としては、児童養護施設、ホームレス支援団体などの他福祉組織や、フードパントリーを通して個人にも支給されます。 現在は、フードパントリーの個人利用については、一番大きいセカンドハーベスト・ジャパンでは、

・初回はどなたでも利用可能
・2回目以降は、行政窓口や連携するNPO団体からの紹介状、児童扶養手当証書またはマル親医療証 が必要 

としてます。

寄贈食品を利用している活動なので、食品寄贈企業に対して、必要な人に届けるという約束をフードバンクは果たす必要があります。 つまり、フードバンクのシステムを市場とは別のフィールドで機能させる、ということです。 そのため、このようなスクリーニングが現在はなされているのでしょう。

日本のフードバンクに期待する役割


日本のフードバンクに期待される役割は大きく分けて2つと考えられます。 

1つ目が、生活困窮者に対する「食のセーフティネット」になる、福祉としての役割

 2つ目が、まだ食べられる食品の廃棄を減らす受け皿になる、環境対策としての役割

アメリカでは、食品を購入してフードバンクへ寄付することもあるように、1つ目の役割が広く認識されていますが、 日本においては、フードバンクが厚生労働省ではなく、農林水産省が管轄しているところからもわかるように、余剰食品(フードロス)の受け入れ先として語られることも多いです。 今回の新型コロナにおいても大量の食品ロスが出ていることが問題視されていますが、農林水産省では、受け入れ先としてフードバンクを活用するように呼び掛けています。

各団体の活動目的


各フードバンク団体においても、両方、またはどちらかに少し偏重して、活動目的を設定しているようです。

 例えば、セカンドハーベスト・ジャパンでは、

  People have enough food(全ての人に食べ物を) 

を基本理念としており、フードセーフティネットの構築を目標としています。

ふじのくにフードバンク、ふーどばんくOSAKA、フードバンク滋賀では、

 「もったいない」から「ありがとう」へ 

を基本理念にしており、食品ロスを出発点として、社会福祉へとつなげる活動として位置付けられていることがわかります。

一方、フードバンクアリスでは、

「もったいない」をなくそう 

を基本理念にしており、食品ロスに対する対策として活動を位置付けています。

まとめ


・フードバンクは、緊急食料支援システムの一つ。個人や企業から寄付された食料をフードパントリーや福祉団体などに提供する仲介組織

・日本では、2000年代初期から活動が始まり、現在は100団体以上が活動

・日本における役割は、食のセーフティネットとしての福祉的側面、食品ロス削減の方法としての環境的側面がある

・フードバンク団体の活動目的は上記2項の間で各々が立ち位置を決めており、明確な共通理念はない様子


参考にした書籍・サイト 等


・「食の社会学 パラドクスから考える」エイミー・グプティル、デニス・コプルトン、ベッツィ・ルーカル 著
・各フードバンク団体 HP、公表資料
・一般社団法人 フードバンク推進協議会 公表資料

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