今日の話。
オレはある日突然うまれた。
ある女が、こどものためにロボットを作った。それがオレだ。
オレはご覧の通り、紙とストローでできている。オレは、ペッパーになりたいんだ。
ふざけるな。なんだこの有様は。女をぶんなぐってやりたいが、こんな関節のないストローの腕じゃせいぜいジタバタするだけだ。
オレは、こんなはずじゃなかった。オレはもっと優秀なロボットにうまれるはずだった。
なのに、こどもはオレを見た瞬間、目を輝かせて喜び、オレを楽しんでくれた。
こどもはオレのことを、ペッパーみたいにして、など、ひとつも言わない。
女が作ったこのオレを、むしろ満足気に眺め、足に色も塗ってくれた。こんなポンコツなオレを愛してくれたんだ。
オレは、自分を嫌っていた自分を恥じた。
オレは、ペッパーになる必要はなかった。この子のためならなんだって受け入れようと思った。ペッパーにもこんな感情はあるのかい？オレは、幸せを感じたんだ。
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