見出し画像

ゲーム業界の勤続年数と新庄剛志氏にオファーが来ないニュースを絡めてみる話

こんばんわ。

ソダシ(白毛馬)のG1制覇のニュースもめでたいですが、
それよりもこちらのほうがショックが大きかったので、
思わずPCに向かっているゲーム会社の人、ねじおです。

▲デイリースポーツ参照

個人的には、彼はスター選手だと思っています。

明確な定義が難しいですが、
球場で見て、テレビで見て、練習中の所作や、打席外での動きまで目で追ってしまう人(気になる人)がスターだとするなら、彼は間違いなくスターです。

なかなかこんな人はいません。

記事中にも説明がある通り、
おそらく年俸3000万円を提示したとしても、グッズ売り上げとCMで倍以上の売り上げは見込めるので、所属球団に金銭的痛手はありません。

打撃はともかく、守備の感性と理論はしっかりとしているので、
守備コーチ兼任であれば、日本人離れしたメンタルと合わせて、
若い選手の指導に一役買うこともあるでしょう。

それでもオファーが無かった辺りに、
日本のプロ野球の人材マネジメントのシビアさと、
各球団のプライドの高さを個人的には感じました。

この辺を人事という目線から書いてみます。
とりとめのない内容になってたらすいません。

●ゲーム業界とプロスポーツの共通点

プロ野球などのプロスポーツと、
ゲーム業界では近しい環境がいくつかあって、実力勝負である点、専門職が集まって行う点、「平均勤続年数」が短いという点が挙げられます。

特にプロ野球は日本のプロスポーツの中でも、
ファンが多く、年間通じて試合があり、過去の遺産(王・長嶋)の上に現在の市場があり、ビジネスとして成立している上で、勝ち負けがはっきりと順位で出て、チームによっていろいろな育成方針・体制がある点などなどが、私の仕事(ゲーム業界人事)としても参考になるな、とみてます。

※個人の感想です。

この辺は、DeNAさんが球団を買収し、
楽天・ソフトバンクというIT系企業の球団運営をするようになり、
運営の仕方やドラフト採用の考え方が、よくインタビューやTVで取り上げらるようになってきたこともあるかと思います。

●ゲーム業界の勤続年数

ゲーム業界に絞った指標が無いのですが、
平成30年度の総務省統計の職種別平均勤続年数で見ると、

プログラマー:6.4年
システムエンジニア(男):12.3年
システムエンジニア(女):9.1年

▲平均値は9.2年

この辺が指標としてはあたるのかな?という印象。

四季報(2020年度版)で見る会社別の平均勤続年数から平均を出すと、

画像3

▲上位50社での平均(7.0年)

サン電子さんとか、フィールズさんとか、
いわゆるアーケードとかカジノとかパチンコ・パチスロの会社さんも入ってますが、上場企業での平均値でも割と低い。

▲参考資料

ちなみに、プロ野球の平均勤続年数はこんな感じ。

画像1

▲プロ野球選手の平均在籍年数(8.9年)

移籍やトレードは加味せず、約9年で業界から消えていくことを考えると、
厳しい業界といえるでしょう。

実際は、トレードや戦力外での退団からの再雇用、FA移籍があるので、
同一チームでの在籍年数としてみると、もう少し短くなるかと思います。

まぁ、なんとなく指標が近いと感じてもらえたら十分です。

●新庄さんが雇用されない理由

これをゲーム業界やIT業界で置き換えると、

会社辞めて自由気ままに過ごしたら、
年数を経過したときに第一線に戻れなかった
、というやつです。

新庄さんの場合は、雇っても金銭的デメリットが無いのに、
採用されませんでした。

ニュース記事内で挙げられている理由は、

・年齢の問題(チーム内の平均年齢よりもかなり上になる)
・若手を育成するチーム方針(中長期戦力の重視)
・支配下選手枠の問題(座席数・アカウント数・固定費)
・1年間働けない(長期案件への不安)
・話題先行(チーム内からの不満の噴出)

会社に置き換えるとこんな理由から、採用されなかったとなります。

平均勤続年数が短いということは、
転職が盛んであるとも言えます(実際ゲーム業界は多いです)。

流れや流行も早い業界で、長い期間ブランクが出来ることは致命傷です。

あとは、13年のブランクがある選手が復帰をした事例が日本ではまだないので、前例がないケースを嫌う日本的な風習の面もあるように思います。

特にプロ野球は人事にしがらみがあるように思います。

・●●大学とは縁があるので1人は採らないと…
・□□選手を指名するなら××選手も採ってくれないと辞退させる…
・◆◆選手をクビにするが、元●●大学の主将だから今後の関係を考えて球団職員として雇用する…

みたいな。

具体的な事象を挙げて説明するのが難しいのですが、
プロ野球ファンなら、贔屓球団の不可解な人事なんて、一度や二度は経験しているかと思います。

昔は裏金事件(※Wiki一場事件参照)として直接的にやっていたことが出来なくなったので、なんとなく水面下で行われるようになり、
大企業の人事採用みたいな感じになっている気がしています。

※個人の感想です。

球団のプライド、親会社のメンツ、人事的しがらみ、OBからの圧力などなど、あるのかないのか知りませんが、本当に実力勝負の世界なのであれば、実力が正当に評価される子どもたちが目標とすべき業界であってほしいとは思います。

●まとめ

すごい個人的感情が入った内容になってしまいました。

新庄さんは、暗黒期のわれらが阪神タイガースの星であり、
マスコットだった方なのです。
正直特別な思いはあります。


近い将来、ジョブ型雇用になっていく中で、
悪い意味で日本らしい縁故や根回しなどの風習はジョブ型雇用が浸透する大きな弊害になると感じています。

組織が大きく、給与が高いほど起こる事です。

ねじお個人としては、がんばった人がちゃんと評価されて、
対価として返ってくる制度を去年頑張って考えていたこともあるので、
もしこういったしがらみが原因で、新庄さんにオファーが来ていないのだったら嫌だなぁと感じています。

(ただ、どう考えても1年戦える体力は無いと思うので、そらそうだよなとも思っています。)

ひと時とはいえ、夢を周囲に与え興奮させてくれた新庄さん。

あなたはやっぱりスターです。

たまにバラエティとか出てくれたら、テレビを見る人も増えると思うので、
これからも天真爛漫なご活躍を!!

ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。