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ゲーム業界での派遣社員という働き方について

こんばんわ、キャリアコンサルタントであり、ゲーム会社の人事でもあるねじおです。

うちの会社にも来てもらっている派遣社員さん。

派遣という働き方は、派遣会社(スタッフサービスさんとか、テンプスタッフさんとか)から契約に従って派遣されて仕事をする形の働き方です。

ドラマでも「ハケンの品格」が再度放送されていて、CMを見かけることも増えたのでは無いでしょうか。

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▲先週最終回でした。

ゲーム業界でも、事務職、開発職どちらにも派遣社員さんは多くの会社で居らっしゃいます。

そもそも、ねじおは転職コンサルタントをする前は、人材派遣も担当していたので、ゲーム業界での派遣社員ってどんな感じ?ぶっちゃけあり?なし?について書いてみます。

※若干個人の感想が入りますことご容赦ください。真面目に書いたのでちょっと長い記事です。

●ゲーム開発職での派遣社員さんって?

【どんな人】
基本的には経験のある方が、その経験のある仕事に来てもらうというケースが多いです。
ゲームの開発プロジェクトであればゲームが完成するまで、スマホゲームなどの運営プロジェクトであれば続く限り居てほしい、みたいな感じになります。

おそらくどのゲーム会社も、ゲームの開発が中盤に差し掛かり、作るものが多くなってきたタイミングでフリーランスさんや派遣社員さんの手を借りたいとなって、エージェント会社さんや派遣会社さんにお願いをすることになります。

若い人も居れば、ベテランさんも居ます。

正社員でゲーム会社で働いていたけど、体調を崩してリハビリがてら派遣社員として業界に戻る方も居ます。(残業とかの面で楽なので)

副業として、週に3日派遣社員として働いて、あとは在宅で仕事をしている様な人も居ます。

派遣契約は、正直双方合意が出来れば何でもOKなので、時短契約なんかも出来ます。(ねじおが受け入れた実績も何度もあります。)

【職種】
職種はどんな職種でもいらっしゃいます。

デバッカーさん、プログラマーさん、エンジニアさん、プランナーさん、デザイナーさん、サウンドさん、プロマネさん、翻訳さん…などなど。

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▲外国人専門の派遣会社さんなんかもあります

ゲーム会社によっては、デザイナーだけ!とか制限しているケースはあるかもしれませんが、一定の規模以上のゲーム会社さんには派遣社員さん自体はいらっしゃる印象です。

フリーランスの方が、派遣社員として来てくれるケースもあります。
これは、自分で確定申告や営業をするのがメンドクサイ場合にエージェント会社を通して契約をするケースです。
(マージンは取られますが、保険もあるし、確定申告不要だし、やりたい案件だけをやりたい場合はアリかも…と個人的には思います。)

●給与はどう?

給与は、多くは月給制か時給制での契約になります。

実際の金額は職種と経験によって結構差が有るのでなんともですが、
ゲーム会社から派遣会社に支払っている金額の70%くらいが本人に渡っているとすれば、十分都内でも生活は出来る金額かと思います。
(例えば月60万円で契約をしている方は70%の42万円くらいは貰えてるはず?みたいな)

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▲一般社団法人日本人材派遣協会 派遣料金の内訳より

なお、今年の4月に「同一労働同一賃金」の法改正がスタートして、
大手の派遣会社さんでは待遇が一律で良くなっています。(たぶん)

これは、デザイナーで経験2年なら1682円以上/時給みたいな感じで、
国が基準となる給与条件を定めて、それを下回らないようにしなさいという改定です。
地域による時給調整と、交通費と退職金に当たる金額も含めて契約をしなさいとなっているので、交通費も確実に出る様になっているはずです。

お陰で、うちから派遣会社さんに支払う料金が上がりました…(苦笑)

参考:スタッフサービスさん同一労働同一賃金説明HP

●仕事内容はどう?

うちの会社では、大きな仕事の差は付けていませんが、
権限の差は付いています。

権限と言っても、権利を奪うという意味合いでは無く、
プランナーさんやエンジニアさんであれば、ゲームの売上やKPIデータを外部の方が見てしまうことは好ましくないので、見れるファイルに制限をかけたりします。

デザイナーさんであれば、最近は在宅での作業も増えているので、
特定のサーバーを指定して、自宅にも環境を作ってもらい、そこに制作したデザインをUPして貰ったりします。

それぞれ、あくまで外部からお手伝いに来ていただいている方なので、万が一、情報漏洩や機密漏洩が有った際のリスクをお互い避けるためです。
(派遣契約と言えど、機密保持に係る条項が多くの派遣会社さんの契約には入っており、損害賠償請求が本人に行ってしまうためです)

あとは会社によりますが、
社員はフレックスだけど派遣社員さんは定時があるといった違いを付けているゲーム会社さんもあります。(これは管理上の問題だと思います。)

●良いところは?

・重たい責任を背負わなくて良い事
・嫌なら契約の切れ目でサクッと辞めれる事
・面接などの選考ハードルが下がるので経験の浅い方でも大手ゲーム会社で仕事ができる可能性があること
・コネ作りにはもってこいなところ

この辺でしょうか。

やりたい仕事だけをやっていたい方、
現場でずっとゲームの中身を作っていたい方にはオススメです。
(実際、そんな方も居らっしゃいます)

特に、フリーランスや独立を将来的に考えている方の場合、
多くのゲーム会社の現場の責任者仕事の発注窓口に顔を知っておいてもらえることは大きなメリットかと思います。

●懸念点は?

・あくまで非正規雇用な事
・派遣会社によっては営業担当とウマが合わなかったり、マージン率が高くて給与が低いケースが有る事
・3年就業したら社員化の義務があるが、実質的な強制力がない事

働く方から見た際の最大の懸念点としては、
あくまで契約期間で契約をする非正規雇用になる点でしょうか。

ゲーム業界の場合、3ヶ月~6か月の契約を更新していく様なケースが多いです。
先述の通り、ゲーム開発は長くなってきていますし、ゲーム運用もゲームが続く限り続くので、契約は長期化する傾向はあります。

が、

担当しているゲームが終了になった場合は、
おそらくゲームのクローズが見えた段階で契約を終了する話が出てくるでしょうし、その方のスキルや人柄が会社や作業にマッチをしない場合は、契約の切れ目のタイミングで改善要望や契約終了の相談を受けることが出てきます。

これが派遣社員として仕事をする上での注意点、懸念事項かと思います。

●ゲーム業界の派遣会社ってあるの?

ねじおは決して、派遣会社の回し者ではありません(笑)

ゲーム業界の派遣会社さんと言えば、

・イマジカデジタルスケープさん
・シリコンスタジオエージェントさん
・クリークアンドリバー社さん

この辺りが所謂、業界特化型の派遣会社さんでしょうか。
ぱっと浮かんだ3社さんです。

ぶっちゃけ、人材サービスの会社さんって、会社というよりも担当によって当たり外れがあるので、ちゃんと話を聞いてくれる人が居る会社で仕事をするのが一番幸せだと思います。

営業担当ガチャと社内では呼んでいます(笑)

●さいごに 派遣ってあり?なし?

途中にも書きましたが、
バリバリ経験と実績をお持ちの方が派遣で仕事をする必要はないかと思いますが、若手や第2新卒の方で実績を積みたい場合や、大手の会社でのゲーム開発・運用を見ておきたい場合、いろいろな会社とのコネや実績を作りたい場合などではありな働き方だと思います。

他業界からゲーム業界に挑戦をしたい方の場合も、
選考ハードル(そもそも派遣社員は選考してはいけない)が下がるので、業界に入るステップとしてや、一度ゲーム業界での仕事を見てみてから改めて判断をするというような考え方にも使えます。

ただ、ずっと派遣社員で、という働き方は、40歳を超えたあたりで仕事の選択肢がどんどん狭くなっていくので、お勧めできません。

どこかのタイミングでプロとして独立・フリーランスになるか、
社会人として会社に正規雇用で入るかをオススメします。

ながながと書いてしまいましたが、
ゲーム業界での働き方の一つとしてはアリな選択肢だと私は考えています。

多くの方が色々な働き方、就業形態でゲーム業界で仕事をしています。

是非、一人でも多くの方がゲーム会社、ゲーム業界に興味を持って頂ければ嬉しいです♪

ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。