「就活で迷ったら大企業」についてゲーム会社人事が想うこと
こんばんわ、
夜中にチビに蹴り起されてnoteを書く機会が生まれた皮肉な人、ねじおです。
寝苦しい季節になってきましたね…。
さて、最近Twitterの方でよくDMを頂くのですが、
内定についてのお悩み相談までSNSで飛んでくる時代になったのかと驚きつつ回答したのでこちらでも書いてみます。
迷ったなら大きい会社に行ったら?
は個人的にも思いますが、ゲーム業界の場合は会社の規模よりもやりたい仕事があるかの方が大事なので、一概にそう言えないのが悲しいところ。
ちょっとゲーム業界特有のところも交えつつ。
内定が出だして期限が設けられるこの5月~6月。
就活終盤の方や、第1志望の返事待ちでやきもきしている方の参考になれば幸いです。
●大企業って何?
昔から就活ではよく言われます。
「迷ったら大手に行け」「腐っても大企業」
などなど。
これは、色々な理由がありますが、
最も大きいのは「日本は中小企業の国」だからというのがあります。
日本は実に99.7%の会社が中小企業です。
ゲーム業界を含む、IT業界では、
・資本金または投資金額が3億円以下
・従業員の数が300人以下
の会社が中小企業と定義されています。
▲企業区分の詳細は四季報HP参照
中小企業基本法という法律で「中小企業」は分類されており、
それ以外の会社が「大企業」となります。
上場企業であるかは関係ありません。
0.3%に入れるチャンスがあるなら、入ったら?
というのもごもっともな意見です。
●大企業と中小企業の仕事は違うもの?
一般的には仕事の範囲・階層が違います。
▲製造業の場合
大手企業がまず大まかな業務の流れを決めて、分解する。
その流れの中で仕事をいくつかに切り分けたものの一つが、それぞれの中小企業に流れていく。
大企業の役割は、プロジェクトの全体像について考え、決定すること。
中小企業の仕事は、「大半が決まったあと」に切り分けられた各々のタスクをこなすこと。
仕事の階層が違うとこんな感じになります。
なかなか枝葉の仕事で素晴らしい成果を出しても、
全体を把握することはできません。
大手を経験しておいた方がいいと言われる理由の一つは、
この階層による仕事の違いが上げられます。
ただ、最近はベンチャー企業や中小企業であっても、
自社でサービスを開発し提供している会社も多いので、
この階層での仕事が当てはまらないケースも多々あります。
●「主要取引先」は大事なイメージソース
大企業なのか中小企業なのかはおいておいて。
その会社の「取引先」の項目を見てみると、
イメージしやすくなるかと思います。
▲例えばフロムソフトウェアさんの場合
区分は「中小企業」
<主要取引先>
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
日本マイクロソフト株式会社
任天堂株式会社
→ここまではハードメーカー、
ゲームを出すにあたって開発機や権利を頂いて制作する
株式会社カプコン
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
→この2社から過去依頼を受けてゲーム制作をしたことがある
発注主としての立場
株式会社壽屋
株式会社KADOKAWA
→コトブキヤさんはグッズ販売、
KADOKAWAさんは書籍と実は株主としての関係
各ハードメーカーから仕入れをして、
自社及びカプコン、バンダイナムコといった会社から依頼を受けて、ゲーム開発をして、発売。
コトブキヤさんやKADOKAWAさんからグッズや書籍が出る。
というような分かりやすく中小企業の立ち位置です。
●ゲーム業界の場合
例であげたフロムソフトウェアさんなんかは、
区分上、中小企業ですが、自社で開発して発売までされているので、
「中小企業だから枝葉の仕事」という会社さんではありません。
アプリゲームの会社さんの中にも、
「中小企業」であっても、自社でゲーム開発し、世界を相手にゲームリリースされていたりする会社さんも多くいらっしゃるので同じく「枝葉の仕事」とは言えません。
▲オバケイドロのフリースタイルさん
社員数150名だが大半はサーバー事業の人数
▲ドットゲーでおなじみのカイロソフトさん
社員数はなんと20名!
逆に、トーセさん、エクストリームさん、マイネットさんのように、
大企業に区分分けされる規模をお持ちながら、「受託開発(下請開発)」としての立ち位置を確立されている会社さんもあります。
それぞれ、開発スタイルやサービス内容は違えど、
「面白いゲーム」を作るためにメーカーとタッグを組んで開発に参画される会社さんです。
まるまる1作品開発を担当されたり、初期企画から提案されて開発されることもあるので、
これはもはや「枝葉の仕事」というか「植樹の仕事」です。
こんな感じで、大企業だから下に仕事を投げるだけ。
中小企業だから細細とした面白くない仕事ばかり、というのが当てはまらないのがゲーム業界の特徴でしょうか。
※もちろん、開発の本当に一部だけを請ける小さな会社さんもありますし、特定のジャンルの仕事しかしない会社さんもあります。
●まとめ
もちろん、大企業と中小企業では、
「ヒト・モノ・カネ・情報」
と呼ばれる企業の4大資産すべての規模が違います。
給与レンジも違いますし、
人の数も設備のクオリティも違います。
なにより社内に蓄積された情報の量も違うので、
リファレンスの量や研修制度の充実さは若い方の成長スピードの違いとなって現れます。
「迷ったら大企業」は特にほかに検討すべき事案が無いなら私もそう思います。
ただ、任天堂ハードのゲームを作りたい!
と思うなら、任天堂系の会社さんと取引があるか、開発実績がある会社でないと経験できませんし、
かわいいふわふわのまるっとしたキャラクターを3Dで制作したい!
と思っているのにフロムソフトウェアさんに入社をしたら不幸でしかありません。
▲かわいくふわふわ…『忍殺』ッ!
「自分のやりたい仕事がそこにあるのか。」
この目線で最後は会社を選んでほしいなと思いますし、
もし不安や分からないことがあるなら、是非確認をしてから内定承諾をして頂ければと思います。
就活終盤の方や、第1志望の返事待ちでやきもきしている方の参考になれば幸いです。
お一人でも多くの方がゲーム業界に、ゲーム会社に興味をお持ちいただけると嬉しく思います!
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【過去記事】
人事的な記事⇒https://note.com/negikojyo/m/mb13243fd1754
中途採用の記事⇒https://note.com/negikojyo/m/m065b4610a93e
新卒採用の記事⇒https://note.com/negikojyo/m/m2326398a03cd
note/Twitterの記事⇒https://note.com/negikojyo/m/mdbb149c98460
その他雑記⇒https://note.com/negikojyo/m/m438046a9fda7
【ココナラ】
お仕事相談始めました⇒https://coconala.com/services/1467603?ref=profile_top_service
ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。