【対談】道産子フロンターレサポと話す2020年のコンサドーレ(ちょっぴりスカイアース)
長年の友人である北海道出身の川崎フロンターレサポである「たけひご」くんと、2020年の北海道コンサドーレ札幌について対談しました。
2人のプロフィールは、こちら。
ふらいくる:このnoteの人。北海道コンサドーレ札幌サポ20年目。カルチョ信者のエンポリ好き。最近ラジオに熱心で、自ら『コンスレンテつじーサッカーのお悩み相談室』を配信中。
Twitter:@nega9_clecle
たけひご:ふらいくるとは6年来の付き合い。北海道出身北海道育ちの道産子だが、縁あって川崎フロンターレサポになる。地元のクラブである北海道コンサドーレはいつも気になる存在。リヨンサポのフランスサッカー通。
彼とは2018年にも対談をしています。そのときの記事はこちら。
なおこの記事は「北海道コンサドーレ札幌 Advent Calendar 2020」に寄稿しています。企画していただいたaya_shortyさん、ありがとうございます。
それでは対談スタート!
(対談日:2020/12/5)
8.15の話
つじー:まずリーグ優勝おめでとう!
たけひご:ありがとう!
つじー:せっかくだけども、メインは札幌なので川崎の話はここで終わりにします(笑)
たけひご:そうだね(笑)
つじー:全体の総括は後にして、さっそくだけど直接対決の話をしようかな。まず8月15日の対戦が1-6だったね。どう?覚えてる?何か印象に残った?
たけひご:マンツーマンで捕まえに来るところを一発で裏取って奪ったゴールが多かったかな。GKのキックから旗手が持ち込んで三笘が決めたり、同じくGKから小林悠が決めたりしたのが印象的だったな。
つじー:あの試合はGKからのロングフィードがかなり機能した試合ではあったよね。
たけひご:川崎からしたら珍しかった気はするんだよね。で、札幌の印象か・・・・(笑)
つじー:6-1で勝った相手に印象もくそもあるかって話か(笑)今もそうだけども、札幌のストロングポイントはルーカスなんだよね。ルーカスにいかに勝負させるかってところがやりたかったことだと思うんだけども、ルーカスが使いたいスペースを左SBの車屋が、いい立ち位置で埋めてたところは非常にやりづらかったな。
たけひご:車屋が立ち位置褒められるのはあまり聞かないから新鮮だな。あ、思い出した。4-0ぐらいのタイミングで、1-6-3みたいなフォーメーションやったよね(笑)
つじー:あったあった(笑)
そして、11.3へ
つじー:そこから川崎は勝ち星を積み重ねていって11月3日の対決になるわんだけど。ぶっちゃけ札幌としては完勝という気持ちだね(笑)
たけひご:完敗だったね。0-2でよくすんだなみたいなところもあったし、とうとうこの日が来てしまったなと。
つじー:この日が来てしまったというと、負ける日がってこと?
たけひご:そう。
つじー:何か予兆はあったってこと?
たけひご:反感買うかもしれないけど、川崎に対して本気で殺しにくるチームと、そうじゃないチームって結構露骨にわかれるなって思ってるんだ。札幌は、成績でいえば多分一番お得意様ぐらいの成績だけど、毎試合毎試合どんなに点差がついても、本気で殺しに来る印象を受けてたからね。
つじー:すごいなって思ったのは、このとき1週間の間にアウェイでガンバ、川崎、FC東京の3連戦だったんだよね。川崎戦を捨てて、ガンバと東京で勝ちに行くのはありだと思ったけど、一番全力をかけたのが川崎戦だった。この3戦の結果を見ると、1勝2敗なんだよね。必ず勝たないといけない試合に、一番困難であろうチームとの対戦を、持っていった。ミシャらしいなって思う。やっぱりちょっと常人とは違うなっていうところを思い知らされた気がするよね。
たけひご:狂人だよね。
つじー:ね。1-6で負けた試合を伏線にして話をすると、まずGKからのロングフィードっていうのはあんまり効かなかったよね。
たけひご:そうだね。
つじー:あと、ルーカスvs車屋がどうなるのかなって思ってたら、車屋の前にルーカスがいない(笑)ルーカスと金子は逆足WBになっていたね。川崎対策の大きな一手だったのかな。逆足だから、深くえぐってクロスを上げるんじゃなくてもう早めにアーリークロスをあげちゃう。
たけひご:そうそう。一方で札幌の前線のスタメンが荒野、駒井、チャナティップのいわゆる0トップで、逆足ウイングにその3枚が中っていうのは合ってないように感じたな。後半勝負だったっていうのが一つあると思うけどね。ただ、川崎はクロスボールの処理が結構今季ずっと課題だったところはあったね。前半でも高さでは分がいいはずなのに、かなり競り負けてたしね。サイドチェンジも効いていたかな。
つじー:クロスと見せかけて、荒野や駒井の頭を通り過ぎるボールで逆サイドに当てるボールもあったよね。札幌がボールを握る時間を増やすための作戦だったのかもしれない。
たけひご:ボールが流れちゃったりもしてたけどそれも含めて、うちがボールを握る時間はかなり削れてたかな
つじー:正直、川崎にマンツーマンがあんなにはまると思ってなかったんだよ。
たけひご:結局、一言で言うとそこに尽きるよね。1枚1枚ぺりぺり剥がしていくこと8、9年やっていて、今年若干はカラーを変えたけど、抜本的には変わっていないはず。真っ向勝負であそこまでコテンパンにされたっのは、結構個人的にはショックが大きいな。
つじー:確かに川崎に対抗するには、そうやって剥がされなければいいってみんな言うけども、実際はがされるわけじゃん。でも札幌はそれでも剥がさせなければ勝ちなんでしょみたいな感じで、結局うまくいったことは驚きで。
たけひご:インサイドハーフ2枚と、トップが捕まって。今季はそこが捕まってもウイングが剥がすから関係ないはずだったのに、ウイングももう重たくて、踏んだり蹴ったりだね。札幌の前3枚はもう労を惜しまず、前からはめてきて、ボールを落ち着かせるところがなかったね。だからもう全部敗因みたいな感じなんだけども。
つじー:普段はアンカーの守田あたりがうまく落ち着かせるのかな。
たけひご:そうだね。あとはSBの登里と山根なんだけど、山根も重かったし、ボールを落ち着かせる先っていう切り口で言うと、ちょっと登里と車屋はかなり差があるね。
つじー:1失点目は、守田が捕まってしまったときに、サポートがなかなかできなかったところが原因だよね。
たけひご:うん、出し手がなくなって。
つじー:囲む方が早かったみたいなとこあったし、交代のタイミングがかなり絶妙だったよね。
たけひご:めちゃくちゃハマってたね。
つじー:でもこれで来年が楽しみな対戦になったね。
たけひご:本当に悔しいっていう負けてでね。この悔しさはまた来年盛り上がる要素の一つにもなると思うし。
つじー:今年は等々力のアウェイ側が即完売だったみたいだから、来年はもう少し密に入れる状況になるといいよね。
たけひご:うん、そうだね。
今季のコンサドーレどうだった?
つじー:11月の話をみなさん聞きたいだろうから先に直接対決の話をしたんだけども(笑)ここからは今季全体の印象を聞いていこうかなと。この収録の時点で札幌は13位かな。
たけひご:今年は降格がないのもあって、かなり思い切ったチャレンジをしてたのかなと思ったよ。ある記事では、アタランタみたいなオールコートマンツーマンだってのもあって、実際見てみたらそれをやろうとしてるのかなっていうのは見えたしね。あとは、やりたいサッカーと編成がかなりギャップがあるのかなと。
つじー:編成とのギャップは、具体的にどのポジションってのは挙げれたりする?
たけひご:ちょっと正確かはわからないけど、センターFWとCBかな。90分間前からプレスかけてはめていくとすると、ジェイはそういうタイプには見えなかったし。CBについては、ミンテは逆にはまり役だと思うけど、福森はスペースに放り込まれて、マンツーマンで捕まえきれるタイプでないのかなと思うところもあるし。
つじー:そういう意味では、オールコートマンツーマンを試すときの試合では、純粋なFWは使わないっていうパターンが多かったかな。チャナティップと駒井のツートップとか。確かにそこは編成面がよくないって考え方もできるし、純粋なFWは純粋なオールコートマンツーマンじゃない試合で使うみたいなところはあるのかな。ウーゴ・ヴィエイラもオールコートマンツーマンができる選手じゃないのに獲っているしね。
たけひご:オプションはあってしかるべきだしね。
つじー:僕個人としては、一昨年が4位で、去年がルヴァン決勝進出っていうところで期待値はだいぶ上がってたと思うんだよね。でも、クラブの規模感からすると結構妥当な順位かなと。
たけひご:なるほどね。確かにそういう見方はあるよね。今季ソンユンと武蔵がシーズン途中で移籍したよね。記憶違いだったら申し訳ないけど、こういう主力の急な流出って昇格して初めてなのかな。あ、セレッソに行った選手が1人いたか(笑)
つじー:だけどあのときは武蔵がやってきたからね(笑)確かにシーズン途中で流出するっていうのはないね。
たけひご:それこそ言ってる通り、クラブの規模相応の順位ってのは、もしかしたら悪くないのかもしれないね。翌年、翌々年に繋がる感じかもしれない。こればっかりは今じゃわからないけどね。
つじー:来年は降格が4チームだから、降格しないようにがんばれたらいいね。
たけひご:そこだよね。そこ。
川崎が欲しいのは○○だ!?
つじー:いつも話しているけど、川崎が欲しい札幌の選手を教えて欲しいな。
たけひご:高嶺(即答)。
つじー:はいはいはい、出ましたね(笑)どういうところが気に入ってる?
たけひご:狭いスペースでボールをさばけるし、何なら相手をおちょくるぐらいの感覚がある選手だよね。若干危険なプレーとかも少なくない印象は正直あるけど、ルーキーイヤーはプレースピードに慣れるのが大変でどうしても荒くなってしまうよね。労を惜しまず中盤で汗かく仕事もいとわないし、キックの質も高い。川崎の433のインサイドハーフにぴったりだね。アンカーでも面白いなと思ったりもするけど。レフティーは、攻撃の方向を変える上でも貴重だから将来もすごい楽しみだね。三苫と同級生だし。
つじー:今年の高嶺はびっくりするぐらい良かった。ユースから直接上がってきた選手が苦労してる姿は結構見てきてるんだよね。で、高嶺は昇格するグループに入れなかった選手なわけじゃん。その昇格できなかった選手が4年経ってあれだけできるってのは、本当に4年間何があったんだっていうぐらいびっくりだよね。本当にターンが、綺麗。荒野もそうだけどスルッとターンができる選手ってのはすごいよね。
たけひご:うん。
つじー:ちょっとファールの多さってのは札幌ならではだと思うけどね(笑)守田と田中も右利きとなると、高嶺のアンカーは面白いかもね。
たけひご:うん。普通にインサイドハーフで見てみたい気持ちもあるけど。
つじー:さすがに出て行くことないと思うけども、それだけ高嶺が褒められてるってのはすごい嬉しい話だね。
たけひご:あるかもよ。ビッグディール(笑)
つじー:やめてくれ(笑)
地決でスカイアースを見てきた話
つじー:実は2人とも地決でスカイアースを見てるんだよね。僕は決勝ラウンド、たけひごは1次ラウンドだっけ。
たけひご:うん。栃木シティ戦とブランデュー弘前戦だね。
つじー:印象はどうだった?
たけひご:結果だけ見たら1勝1敗だけど、ちょっと決勝ラウンドではかなり厳しい戦いになるんじゃないかと思ったな。
つじー:理由は?
たけひご:結構組み立てがおぼつかなくて。ブロックをしいて弾いて、うまいこと拾えたら、即興でコンビネーションで崩せたりはしてたんだけども、再現性のある攻撃ってのはセットプレーぐらいしかなかったな。
つじー:なるほど。
たけひご:いいところを言うと、CBの工藤と成田がよかったね。ハイボールも弾いたりだとか、フィードの質も高くてびっくりした。あとは、SBの中川がかなり技巧派で、現代的なサイドバックというか、繋ぎもできるすごい選手だったかな。
つじー:組立に難あるっていうのは決勝ラウンドでやっぱ見てて思ったね。これどうやって点取ってきたんだろうみたいな。
たけひご:弘前戦でもほとんどセットプレーだったかな。
つじー:右MFの縄にボールが入るとちょっとチャンスは作れてたけど、他の決勝ラウンドのチームと比べるとやっぱり力不足だったかな。
たけひご:そうだね。スカイアースは、何とかコンビネーションでやろうとはしてたけど、ちょっと苦しいかなってのはあったね。
つじー:だから、そんな中で決勝ラウンドまで行ったのは結構すごいよね。
たけひご:うん、あの予選グループはなかなか競争激しくて面白かったしさ。地元というか北海道のチームが、あともうちょっとでJFLってところまでいったのは、すごい嬉しかったかな。何とかこれで注目を集めて来年リベンジしてほしいね。
つじー:そうだね。まだ来季どんな体制かわかんないけど、いい選手が取れたりとかして、全国に通用するようなチームになるといいなとは思うよね。
たけひご:十勝だからね。すごいよね、何か。
つじー:夢ありそうだよね。北海道民から見ても、十勝って夢がありそうじゃん。
たけひご:わかる。試される大地。
つじー:試される大地・北海道っていうけど、まさにその最たる例というかね。なんとなくみんながイメージする試される大地は、やっぱ多分十勝の大地のことだと思んだよね。だから、本当につくづく北海道らしい土地にあるチームだよね。
たけひご:あ、最後に1個だけ!スカイアースの背番号めっちゃ見づらくない?
つじー:わかる!!!決勝ラウンドでもすごい話に上がった。めっちゃ見づらいよね。
たけひご:ユニのデザインはかっこよくて大好きなんだよね。でも、僕友達と1次ラウンド行ってたんだけど、あの何番の選手いいよねとかが話しにくくて。分かったのは10番の松尾ぐらいかな。
つじー:そうそう。僕も松尾ぐらいしか分からなかった。
たけひご:来季もかっこいいデザインは保ちながら、是非背番号もしっかり見せてほしいな。