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最大の長所はカリスマ性!?ミシャが北海道で発揮した力とは

先日、北海道コンサドーレ札幌の監督であるミハイロ・ペトロヴィッチ(通称ミシャ)が北海道にもたらした一番の功績について記事を書きました。

ミシャは北海道で見事に能力を発揮し、多くのものをもたらしていることは間違いないとみていいでしょう。

僕は以前、ミシャ就任の背景についての記事も書きました。

これらの記事はいつの日かしっかりとした形でミシャ時代を振り返るための材料、自分用の備忘録として書きました。今回も「ミシャ振り返りシリーズ」として僕が考えていることをつらつら書いていきます。

チームを率いるうえで一番重要なこと

ミシャが北海道の地で最も発揮した力はなんだろうと考えてみます。

彼は「戦術家」と称されることがあります。確かに「ミシャ式」と呼ばれる独特な戦術を駆使して10年以上にわたり日本のサッカーに影響を与え、結果を残しています。しかし、彼の強みが「戦術家」であることというのは、本質ではない気がします。

自分の思うようにチームを率いる上で最も大事なことはなんでしょうか。それはチームみんなが同じ方向を向くことです。

不思議なことにミシャが率いるコンサドーレは、どんなときもチームみんなが同じ方向を向いているように見えます。

「サッカーが上手くなる」という言葉のトリック

ミシャの元でプレーした選手はみな口を揃えて「サッカーが上手くなった」と言います。何をもってサッカーが上手くなるというのかには議論の余地がありますが、多くの選手が口にするということはおそらくこれは本当のことなのでしょう。しかし、いくらなんでも誇張しすぎではないかとも思うのです。

そう考えたときに思ったのは、ミシャは選手に自信をつけさせるのが非常にうまい監督なのではということです。例えば、ある練習によって選手の能力が1上がったとします。それを3上がったと思わせられる監督、それがミシャなのではないかという仮説です。

普通の練習でも今までよりも伸びたと感じるような自信のつけさせ方をミシャは持っているのです。選手と密にコミュニケーションを取ったり、チャレンジをブラボーと評価するのもその一環でしょう。そりゃこの監督の元にいたらうまくなると思いますし、心酔もするでしょう。

停滞期だからこそ分かる異常な人心掌握力

サポーターの目線から見ると、ここ1~2年のコンサドーレには停滞感を感じることがあります。ふがいない負けが重なったり、攻撃サッカーを標榜しながらも点が取れなくなる時期があります。サポとしてはフラストレーションがたまり、ミシャへの不信感も芽生えたりします。

ところがそのような時期に見えても選手たちは「方向性は間違っていない」と口を揃えて言います。その光景は異常です。言い方を悪くすればミシャに洗脳されているのでは思わせられるくらいです。

ミシャはコンサドーレではどんな困難な時期でもチームに同じ方向を向かせられることができています。これは彼の人心掌握力の異常さを物語っていると思います。まさにカリスマです。

カリスマの後任は難しい

ミシャの後任になる監督は非常に難しい立場で指揮することになるでしょう。それはミシャ式の特殊性だけが問題なのではありません。

なにせ今まで能力が3伸びたと思っていたものが、1しか伸びてないと感じてしますのです。強烈なカリスマ性によって束ねてきたものにほころびが生じるのです。思えば、浦和レッズはミシャ時代の後の立て直しに相当な苦労をしていた記憶があります。

そう考えたときにミシャの後任を引き受け、広島をリーグ優勝に導いた森保一現・日本代表監督もまた偉大な監督の一人といえます。正直、森保さんにミシャほどの異常なカリスマ性は端からみて感じません。しかし、おそらく選手からの信頼を得る力に非常に長けているのではないでしょうか。

今回の話を踏まえた上で、ミシャや選手のコメントを読んでみるとミシャのカリスマ性の一端が垣間見えると思います。僕も今後、改めて彼らの発言を精査して振り返りに生かすつもりです。